自分らしさ、暮らしやすさを提案するらしく・おうちと整理研究所 主宰の柳澤とも子が、夫婦で手塩にかけて作る庭と植物についてつづるガーデンフォトエッセイ。
冬は植物にとって、エネルギーを蓄えるための休眠時期です。我が家ではそれを利用して、冬になると毎年少しずつ芝生を剥がして、花壇のスペースを増やしています。
芝生は、庭を緑で鮮やかに染め上げ、地面のクッションにもなってくれます。都会の公園でも芝生で寝っ転がっている人がいますが、我が家も夏になると、裸足で芝の上を歩いたりします。アスファルトは熱くて裸足で歩けませんが、芝生はフカフカで地温もそこまで熱くならず快適です。裸足で歩くことで大地のエネルギーをチャージできる感じもします。
一方で綺麗な芝生を保つためにはお世話も大切です。
春になると、夫が毎日のように芝生の中の雑草を抜き、月1~2回は芝を刈っています。その他にもエアレーションといって芝生に小さな穴を開けて芝の風通しをよくしたり、肥料をあげたりもしています。
また芝生は放っておくと、横にどんどん成長して花壇にも侵入してくるので、侵入した芝を抜き取らないと花壇が芝に浸食されてしまいます。夫は春から秋まではいつも芝と格闘していました。
夫は芝の手入れに手間がかかることに困っていて、私はもう少し花を増やしたいと思っていました。そこで6~7年前から冬になると、芝を剥がして花壇を拡張させることにしまし。た。冬は芝が休眠期で剥がしやすくなるからです。
今年も以下の赤いスペースが芝から花壇に変わった部分です。(お花は春にかけて良いのを探して植えていきます)
この作業は毎年やっているので、我が家には元芝生で、今は花壇の部分が沢山あります。
以下の花壇は隅に見えている石の道も含めてすべて以前は芝だった部分です。
ただこの芝生はがし作業、力作業な上に、細かい作業も必要になります。
まずはシャベルで芝に切れ目を入れるのですが、夫の体重でシャベルを押し込まないと、芝にシャベルが刺さりません。その後は切れ目から腕力で引き剥がしていきます。
ただしきちんと根を取り除かないと、夏ごろには地中深くから芝が伸びてきて厄介なことになるので、はがれ残った芝の根もきれいに取り除きます。
その後、レンガで区切りを作っていくのですが、夫はその際に必ず芝生の土留めを打ち込んでいます。
写真の小判の半分のように見える黒っぽいブレートが土留めです。わが家の花壇のレンガの裏にはすべてこれを取り付けています。
毎年芝の花壇への侵入に業を煮やした夫が、1年かけて少しずつ土留めを埋めていきました。効果は抜群で、それ以降は芝の花壇への侵入がぐっと減りました。
もし芝生が花壇に侵入することにお悩みの方がいらしたら、おススメです。花壇の周りに埋め込む作業はちょっと大変ですが、埋め込んでしまうと、本当に世話が楽になりますので。
実際に夫も伸びた芝生を抜く時間がぐっと少なくなったので、庭では花の手入れに短時間で集中できるようになったと大満足です。
何事も初めに細部までベースを作り、システムを作っておくことが肝心です。最初にきちんとケアしておくと、その後のメンテナンスが楽になるのは整理収納も庭作業も同じですね。
最近、モノが増えるから趣味は持たないとか、掃除が楽だから、散らかるのが嫌だから、モノを持たないという話をよく耳にします。
確かに趣味やモノがなければメンテナンスやお掃除の手間がかからないので楽かもしれません。
ただ、趣味やモノがあるからこその楽しみや喜び、学びがあるのも確かです。
一度きりの人生、趣味や大好きなモノ達とバランス良く過ごすために必要なことが整理収納です。
冬の土台作りに手間と心をかけることで、春以降の庭を簡単に華やかにでき、生きる喜びを感じるのです。
土台作りに手間を惜しまず、暮らしを楽しみましょう。
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