自分らしさ、暮らしやすさを提案するらしく・おうちと整理研究所 主宰の柳澤とも子が、夫婦で手塩にかけて作る庭と植物についてつづるガーデンフォトエッセイ。
今年はどうも夏の足音が早いようで、6月から真昼の陽射しはもう真夏のようでした。7月上旬も、いつもなら梅雨がしとしとと続く時期空を見上げても雲はまばらで、植物たちには少し酷な暑さが続いています。鉢植えのミントは朝夕ともに水やりをしないと、24時間経つと葉が萎れています。しっかり水やりすれば元に戻るところに逞しさも感じます。
そんな中、ちょっと誇らしい気持ちにさせてくれるのが、庭のパーゴラです。
4年前に設置したときには、屋根を覆うまでに何年かかるだろうと思っていましたが、今年は藤と薔薇が競うように枝を伸ばし、葉を繁らせてくれました。
ウッドデッキに日よけをつけなくても、木漏れ日がやさしく差し込むだけで、昼間も心地よく過ごせます。特に和室側の藤の成長が著しく、和室の温度もぐっと下げてくれます。
けれども、いいことばかりではありません。暑さが早まると虫たちの動きも活発になるようで、最近は毎年恒例になっているハダニが、6月から活発化しています。
草木に細かい蜘蛛の巣のようなものがついているのを見たことありませんか?それがハダニです。生垣に使うような固めの葉の低木によくついています。葉から栄養を取るので、長い時間放置すると、葉を枯らしていきますので、駆除が必要です。
ハダニは水に弱いので、朝の水やりのときに葉をめがけてたっぷりと散水します。それでも数が減らないときは、殺虫剤で退治することに。毎朝チェックが必要で、地味で気の遠くなる作業ですが、葉がまたつややかに戻ると、こちらもほっとします。
こうして日々、虫と植物と人間がせめぎ合いながら共に暮らしていると、整理収納も似ているなと感じます。いちど整えても、いつの間にかモノが増えたり散らかったりする…。これは不自然なことではなく自然なことです。子育てや仕事に忙しい、趣味やライフスタイルの変化に追いつかない、そんな時期もやってきます。だからこそ、完璧を目指すのではなく、気づいたときに向き合って整えることが大事なのだと思います。
暑さに負けない藤の葉の陰で、一息つきながら、小さな侵略者たちに目を光らせる夏のはじまりです。

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