酒場と人間をこよなく愛するホッピー★うめが、膨大なヒューマン酒場日記の中から厳選した1ページを毎月お届け。
こんにちは!
酒場と人間をこよなく愛するホッピー★うめです。
先日福島県の郡山で、ほっこり温かいお店に出逢いました。
お店の名前は「一平」さん。
この日の最低気温は11度、沖縄育ちの私にとっては真冬の寒さです。
そんな中、食事処を探していると、安積国造神社の参道脇に、神々しく灯された「おでん」の赤ちょうちん。迷わず、吸い込まれるように入りました。
出迎えてくれたのは、目力が強く貫禄のある店主。
カウンターには、常連さんらしき人が一人。
私もカウンターを案内され、おでんの前の特等席へ。
最初はハイボールとおでん、おでんの具には、ロールキャベツやハンペン、がんもやたまごなどもあるけど……、私は大根、昆布、糸こんにゃくを注文。
意外にも、ヘルシーなものばかり。
ハイボールとお通し、その後すぐにおでんが到着し、晩酌のスタートです。
お酒からグイっといきたいところですが、あまりの寒さに、おでんの出汁からいただきます!
あったまる~‼
そして、ホッとする優しい味。なんだか落ち着く。
ちょうど一巡目のおでんがなくなったあたりで、次々とお客さんが来店。
多くはご近所さんや常連さんなのか?入店と同時に世間話を始める微笑ましい雰囲気。
こんな時、居心地が悪く感じる人もいるかもしれないけど、私は、勝手にその空間に溶け込んだ気分でいます。
BGMになっていたテレビからは、夕方のニュース番組が流れます。そこに逐一コメントをする常連さん。
深刻なニュースの内容を笑いに変えて、店員さんと談笑する姿は、まるでリビングで一緒に過ごしている家族のようで、妙に心地良く懐かしい。日曜の夜に家族で食卓を囲んでテレビを観ていた子供の頃を思い出します。
そんな思いにふけっていると、第二弾のお料理が登場!
カツオのハラス焼きとおでんの追加、タケノコと高野豆腐を注文しました。
どれも素材を活かしたシンプルな味、気持ちもホッと落ち着きます。
遠い故郷を感じる、ほっこりした気持ちになれるお店でした。
帰り道、懐かしく感じた理由が子どもの頃の思い出と共に蘇ってきました。
自分でも驚くほどに、すっかり忘れていた記憶、寒い日に母がおでんを作ってくれて、家族で大きな鍋を囲んで食べていました!
もともと沖縄ではおでんを食べる文化や習慣がなかったけど、母は東京の足立区出身。
我が家の冬は必ずおでんの日がありました。私が注文した大根や昆布、こんにゃくは、沖縄でメイン食材として使われる具材、そしてタケノコと高野豆腐は、母が好きだった具材。我が家のおでんを無意識に選んでいたわけですね。
母が亡くなってもう21年。懐かしさの中に、なんとも言えない寂しさが織り交ざっていた理由がようやくわかりました。人の記憶って曖昧で、はかない。でも、おもしろい。
素敵な時間をありがとうございました!
次回は長野県の酒場から、美味しい話をお届けします。
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