気整楽の書 PR

Vol.6『有始有尾』

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

もともとかなりのズボラだったんだと思う。
今はそんなこともなくなったが、夕食の後の食器を朝までそのままにしていたり、掃除を途中でやめたり、開けたドアをきちんと閉めなかったり
今の自分が見ていたら「最後、どうしてここまでやらない?!」と言いたくなるような、中途半端に作業をやめてしまう人間だった。

まだその癖が抜けないのかデスクワーク中の私の周りの環境は、片づけのプロか?と言われそうな状況になる。
後で片づけようと思ってそのままの郵便物がデスク脇に積まれたままだったり、後で読もうと思う資料が平置きで積まれていたり……

平置きしてしまう理由はわかっている。
しまい込むと見なくなる可能性があるものたちを、見てから捨てようと一時置きしているからだ。
毎日、そのリセットの時間を作ればいいこともわかってはいる。

引出しを開けたら開けたままで作業に集中するのはいつものことで、作業中は横に横にモノが拡がっていく。

さすがにデスクワークが終われば引き出しは閉めるが、やりかけのものが多いのは変わらない……。

実はそんな状態を少し変えたいと思っている。
せめて一日の終わりにはスッキリと片付いたデスクにしたいのだ。

禅の言葉に「はじめありおわりあり」と言う言葉がある。
きっちり始め、終わりまできちんと見届ける事が大切という意味らしい。

あぁ、まさに。
私のためにあるような言葉だ。

引き出しは開けたら閉める
ドアは開けたら最後まできちんと閉める
資料を出したらしまう
一日の作業の終わりにはデスクをキレイにする

小さなことだが、その積み重ねがいつもの環境をつくる。
終わりよければすべてよしということにもつながる。
「立つ鳥跡を濁さず」という言葉だってある。

やはり、終わりは大事なのだ。
やりかけの多い自分に、一日の終わりには、終わりの儀式としてデスクをキレイにしよう。

今年も残りわずか。
2022年、やりかけのことがあったら思い残すことなくきちんと終わりを見届けようと思う。

書・文・松杏
子供の頃から文字を書くのが好き。小学生で習っていた書道を40歳過ぎて再開。文字の美しさ、墨の表現力に魅了されている。
書と整理収納の共通点は余白とバランス。