気になるプロダクトやプロジェクトをエンタメ性や整理収納の考え方に寄り添いながら紹介し、読者の「キニナル」を刺激します。
9月21日は世界アルツハイマーデーだった。
ここ数年、認知症と向き合うことは少なくなかった私には、キニナルワードである。
その前日、9月20日に、アイルしながわで開催された「しながわ昭和ミュージックアワー 『スマイルDISCO』」を訪ねた様子をリポートする。
「スマイルDISCO」は一般社団法人エムむすびが主催するイベント。
エムむすびは、音楽や映像を活用してイベントを開催し、認知症への理解や進行予防に働きかける団体。
会場のアイルしながわは、天王洲アイル駅からすぐの施設だ。
16時からイベントがスタートすると、ザ・昭和の音楽が洋邦問わず流れる。
本格的なDJを担当するのは、DJ SHUNとYOSHIOPC (ヨシオピーシー)。
DISCOと名付けられているように、音楽と音楽のつなぎが心地よく、
ガッツリ昭和世代の人の耳には「なつかしい~」のオンパレード。
もう少し聴きたいけれど、2番の歌詞はわからない……くらいのところで、次曲につながる感じが心地いい。
メインステージでは、品川区エアロビック連盟理事でもあるデモンストレーターによる
華麗なダンスが披露されたり、地元の子どもたちによるダンスも発表された。
ピーンと伸びた背筋、しなやかな腕の振り、ゴムまりのように軽快にはずむステップは、
離れた場所から見ても美しく、楽しい。
ジャクソン5の♪ I Want You Back に合わせた「脳の活性化エクササイズ」には、
私も思わず参加して、足をあげたり、リズムに合わせて手を拍ったり。
進行の方が「間違えたっていいですよー。手と足が一緒になっちゃったっていいですよー」と明るく声掛けをしながら促してくれる感じがとってもピースフルだった。
ちょっと動いただけで大汗をかいた、日頃運動不足の私の感想は、
「鏡がなくて良かった~~」だった。
後日、その時の様子を先輩が動画に撮ってくれていたのをこっそり見たが、
「うん、カラダ、重そう。でも楽しそう」だった。
会場にはDJ体験コーナーもあり、子どもたちがスクラッチ体験を楽しんでいたり、
キッチンカーも出ていた。
続いて展示コーナーの脳体力®トレーナーCogEvo®を使った認知機能のチェックにチャレンジ。
空間認識力、見当識、注意力、記憶力、計画力は、なかなか好結果もあれば、あらあらな結果もあり、楽しみながら少し己を自覚した。
日頃、心にいいことは積極的に取り入れているから、心の体幹はかなり自信があるが、
カラダにいいことはまるで出来ていない。
例えば、音楽を流しながらなら片付けがはかどるとか、声を出すと元気が出るとか、
推しのライブにいけば、驚くほどにパワーが出せて、パワーがチャージされるなんていう音楽の効果は体験済だ。
認知機能の低下には、誰もが無関心ではいられない。
認知症の人とどう向き合うかを考えてきたここ数年だが、いつもその時に頭をよぎるのは、
この知識があったとしても自分がそうならない保証はないということだった。
つまり、予防はするにこしたことがないということ。
それには楽しくなきゃ! というのが一番。
昭和の曲でもまったく違和感なく踊ったり歌ったりしている子どもたちを見て、
「昭和の曲ってなかなかイカしてるでしょ!」などと思いつつ、いやいや時代など分けずに、ジャンルレスで音を楽しめるババアになりたいなと思った。
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