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ゴールデンウィーク真っ只中の5月4日、めぐろパーシモンホール 小ホールで開催された「目黒さくら文化協会」アートテインメント・桜 をレポート。
春の風物詩、東京の桜の開花情報といえば、標準木のある靖国神社。花見客の酒盛りの様子の中継といえば上野。そしておしゃれに桜を愛でる人たちの情報といえば、目黒川沿いの桜が定番ではないだろうか。
今年の4月も目黒川の桜の写真をや動画をSNSで見る機会が多かった。
その目黒のさくらを、アートや音楽などのエンターテインメント、グルメやファッションなど文化的に活用し、地域の活性化を図ることを目的とした「目黒さくら文化協会」が設立された。さくらを愛でるためだけのものでなく、文化的・歴史的資源として活用することで、保護や育成に貢献していくというねらいもある。
この協会の設立を記念した初めてのイベントが古布コラージュ「桜」×トーク&ミニコンサート。
古布コラージュを手がけるのは、同協会 会長で古布コラージュアーティストの住川信子さんである。
ホール内には、着物の古布による桜アートが数多く展示された。
古布を使って洋服や小物をリメイクした作品や商品はたくさんあるが、住川さんの手がける古布コラージュは、その名の通り古布をコラージュしたアート。
着物の柄を生かしながら、重ね合わせ、つまみ細工の桜を散らした作品は、その布の質感と構図の美しさに目を奪われる。
帯につまみ細工がほどこされたタペストリーは、ぽこぽことした立体感がゴージャスなのに可愛らしい。
また、枠から一部分がはみ出した作品もあり、自由度の高さにわくわく感が高まる。
目黒川の桜をタイトルにした作品で目を引くのが、着物に美しくダイナミックに描かれた「夜桜萌ゆ」。
花が散って花びらが川面を染める「花いかだ」(左手前)や、古布とパールと漆喰を掛け合わせた作品「雪月花」など、日本の四季を感じる作品も展示された。
また、色にフォーカスした作品の数々「和色めぐり」も同フロアに同時開催として展示。
ボタンや扇子の要や骨の部分、器や箸、おはじきなど、雑貨を組み合わせた作品が並んだ。
13:30から開催されたトーク&ミニコンサートでは、
協会会長の住川さんから、目黒のさくらへの思いと協会設立の趣旨や展望について語られ、
元宝塚歌劇団の芽吹幸奈さん、鳳真由さんとの桜や古布コラージュにまつわるトークが展開された。
元娘役の芽吹さんと元男役の鳳さんは、両者とも宝塚歌劇団では花組に所属していた間柄。桜色を取り入れた衣装に身を包んだ二人は、桜にまつわるヒットソングをそれぞれソロで披露、3曲目は息ぴったりの美しいハーモニーを聴かせてくれた。
最後はステージ上に飾られた着物作品「桜・目黒川 桜を纏う」とともに、撮影タイムも設けられ、トーク&コンサートは華やかであたたかく終了した。
区内には目黒川沿いのみならず、緑道や公園にたくさんの桜が植えられているという。そうした情報発信も含め、今後「目黒のさくら」は花が咲く季節だけでなく、通年でその魅力を感じることが出来るアートやプロダクトが生まれていくに違いない。
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