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寅がいないっ

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

戌年の時から毎年、同じところの干支の置物を購入している。
たまたま好きな雑貨店で見つけて以来、毎年年末になると「今年もあるかなぁ~?」と
楽しみにしてきた。
それを並べて写真を撮り、年賀状にするのが近年の定番になりつつあった。

色使いは白、赤、黒、金でシンプル。小ぶりでふっくらとして、表情が愛らしい。
老舗の創作竹芸品メーカー、公長斎小菅(こうちょうさいこすが)で取り扱っているものだ。

2021年の12月がバタバタバタと過ぎるなか、
そうだ!と思いたち、ホームページを調べると、渋谷のビルに入っていた店舗は
対面販売を中止したと掲載されていた。
なんということだ。慌ててオンラインショップを検索する。
すると干支・寅などと入れても、例の置物が出てこない。
それらしいものが画像検索で出てきたりしたけれど、公式オンラインショップでは見つけられなかった。
試しにフリマサイトでも検索してみると、3個セットで購入した方が、そのうちの2個だけ出品されていた。
そしてとっくにSOLD OUTだった。

今年購入できれば5年目だった。
コンプリート好きの私に暗雲が立ち込めた。
公式オンラインショップにお尋ねメールを出すと、すぐに丁寧な返信が届いた。

結論から言うと、売り切れ。個数限定販売のため追加販売等はないことも
答えてくれていた。
残念無念、ああ、やってしまった……と年末に嘆く私。
丁寧なメールがありがたかったこともあり、追伸を送った。
「参考までに、何月頃から販売しているのか」を尋ねてみたのだ。
すると、これまた丁寧に即レスが届き、10月後半頃から取り扱っていたとのこと。

準備は早めに、仕事は丁寧に!!
思いがあるならなおさらだ。
なんとなくそう自分に言い聞かせ、
来年こそは!と思い、手帳に書き込んでみた。

コンプリートへの道は遠のいたけれど、それはそれで「まあいいじゃん」と思えるのは
寛容になったのか、面倒くさがりになったのか。
でもこれによって、私にはまったく縁も思い入れもなかった寅年が、
ちょっと引っかかりのある干支になったのは間違いない。