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「ライオンの隠れ家」に観る整理収納

ひつじのまなざし10
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ドラマの中には暮らしや整理収納のヒントがあふれている。
あのテレビドラマのシーンから整理収納のプロが分析・解説する!?
ちょっとニッチなドラマレビュー。

小さなころからテレビドラマが大好きです。
妄想癖がある私は画面を見ながら自由自在に思いを巡らせていました。
整理収納アドバイザーになってからは
そのシーンや内容は「整理収納」とリンクしても楽しめるようになりました。

今回私が取り上げるドラマは、柳楽優弥さん主演の「ライオンの隠れ家」です。
柳楽優弥さんと言えば「ゆとりですがなにか」や「ディストラクション・ベイビーズ」など豪快で激しい役も印象的ですが、朝ドラの「まれ」や「浅草キッド」などのナイーブな演技もとっても素敵です。 また今回、弟役の坂東龍太さんも注目の俳優さんで、「ユニコーンに乗って」や「リバーサルオーケストラ」でもキラリと光る演技が気になりました。
そして何と言っても今回はドラマのTBSオリジナル脚本というのも楽しみですね。
脚本は「おっさんずラブ」「ミワさんなりすます」の徳尾浩司さんと新人の一戸慶乃さんが共同で描く「ヒューマンサスペンス」となっています。

小森洸人(柳楽優弥)は市役所で働くまじめで優しい青年。 弟で自閉スペクトラム症のみっくんこと小森美路人(坂東龍太)と平穏な日々を送っていた。
そんなある日、「ライオン」と名乗る小さな男の子がやってきて一緒に住むことに。
「ライオン」はどこから来たのか、誰の子供なのか、身体のあざは何を物語っているのか。
そして知らない人や環境がストレスとなり、パニックになるみっくんとライオンとの暮らしはどうなっていくのか。
洸人は不安な気持ちで新たな暮らしに一歩踏み出すのだった。

ルーティンは最強の家事効率化

仕事と自閉スペクトラム症のみっくんのお世話をしている洸人は、毎日決まった時間に起きて、決まった朝ご飯を食べ、みっくんを送り出して会社へ行き、決まった時間にみっくんを迎えに行くという「決まったことを繰り返す」暮らしを何年もしています。
両親は事故で亡くなっているため一人で家事をしている状況です。
私は自閉スペクトラム症について専門知識がないのでみっくんに関してのみ見てみると、変化が苦手なため、毎日同じ時間に同じことを繰り返すことでスムーズに日々がまわっているようです。
「同じ時間」と一言で言いましたが、それは何時何分まで細かいもので、おのずと洸人の行動もその予定に制限されます。
みっくんのために変化を排除しつつ平穏な凪のような日々を維持するためには、できるだけ
家事の負担を減らし、徹底的に効率よくすることが必須となるでしょう。
これって、実は毎日時間に追われて忙しい日々を送っている人には、大変有効なんです。
とっても参考になりますよ。

【洗濯】
小森家は脱衣所に洗濯機と乾燥機がセットされています。
洗濯は、洗う→乾燥する→しまう が一連の動作です。
乾燥機があれば、洗う→乾燥する が一か所で済み非常に効率的です。
また、乾燥機がおそらくガス乾燥機で、ガスの方が速く乾くという点も大事です。
「お風呂に入る時に洋服を脱いだ服と使ったタオルは洗濯機に入れる」
というルーティンをみっくんと共有していればみっくんはきちんとルールに沿って
行動してくれそうです。
そして服選びも乾燥機 OK でしわになりにくい服を選んで買えば(私ならそうする!)洗濯効率は間違いなくアップします。
あとは「しまう」ですが、今見えている様子では洸人はハンガーで掛ける収納にしているようです。
ハンガー収納は
・しわにならない
・たたまなくてよい
・選びやすい
等利点がたくさんあります。
ただ、乾燥機からわざわざハンガーにかけるのか?が気になるところですね。
みっくんの洋服がどのように収納されているのか、服をしまう場面は今後要チェックです。

【食事】
小森家の朝食は同じメニューのようです。
同じにすることで手順、 食材の買い物をルーティン化できます。
夕食は月・水・金は以前定食屋だった寅吉さんのところでご飯を食べる決まりです。
寅吉さんがとってもいい人で、ご飯も美味しそう!
こんな元定食屋さんがご近所にあったら本当に心強いですね。
その上週3回は夕食のメニューを考える事や、買い物からも解放されます。
買うモノが減るということはそれを維持管理する手間や時間も減るということですから
だいぶ家事効率が上がります。
キッチンツールの配置も手に届くところにきちんと配置されていて無駄がないなーと感心します。参考にしてみてくださいね。

これらの家事の効率化は洸人の負担軽減になると同時に変化が苦手なみっくんに合わせた暮
らし方とも言えます。

理性と本能

ライオン君がやってきた夜、事件が起こります。
ライオン君が持ってきたライオンの図鑑がみっくんが大事にしているライオンの図鑑と同じだったことからをライオン君が勝手に自分の図鑑を手にしたと勘違いして、二人は取り合いになり図鑑を破ってしまいます。
後に取り合った図鑑はライオン君のモノだったとわかったみっくんはライオン君に自分が大事にしているライオンの図鑑をあげます。
「勘違いしてしまって悪かったな」という罪悪感はみっくんの心の中にモヤモヤと存在していました。みっくんは図鑑をあげることでそのモヤモヤから解放されたわけです。

また、ライオン君の身体のあざを見てしまったみっくんはライオン君を警察に連れて行く事にモヤモヤします。ライオン君が元の暮らしに戻ることを本能的に危惧しているのです。
「そのプライド(ライオンの群れの事)は安全ですか?」
と洸人に聞きます。

みっくんは本能からくる言葉を口にし、行動し、モヤモヤを解決しています。
洸人はみっくんや今の暮らしを守らなくてはならないから本能のみでは行動できません。
「今でもやっと保っている平穏な暮らしなのに、ライオン君を引き取るなんて無理だ」
と理性で考えるのです。

でも心はずっとモヤモヤしていたんです。 そして最後はとても本能的にライオン君を守る行動に出ます。いつも穏やかに話す洸人が振り切るように大声で叫び、本能を現した瞬間でした。

自分が抱えているモヤモヤをどうしたら解決できるのか。どうしてモヤモヤしているのか、解決するのに理性ばかりではくたびれます。人間はそんなに器用にできていない(少なくとも私は)。それに理屈じゃない本能って案外あてになると思っています。

理性と本能。両方に目を向けてモヤモヤを吹き飛ばすそんなドラマの予感です。
おまけにVaundyの主題歌「風神」がとってもいいので是非!
アレクサにリクエストしまくりです。

文・みのわ香波
ひつじPlanning主催 整理収納アドバイザー。
ドラマを観る時は「ながら観」はせず、できれば一人でじっくり派。
登場人物の観察からの妄想がルーティン。
ドラマは「暮らしを切り取ったもの」、整理収納は「暮らしそのもの」
「映画に観る整理収納」「ドラマに観る整理収納」(ブログ専用ver)はひつじPlanningのちょっとずつお片付けでゆるっと掲載中。
ライオンの隠れ家
放送:TBS 毎週金曜 夜10時
出演:柳楽優弥、坂東龍汰、齋藤飛鳥、佐藤大空、柿澤勇人、入山法子、岡崎体育、尾崎匠海(INI)、平井まさあき(男性ブランコ)、桜井ユキ、森 優作、岡山天音、でんでん、向井 理、尾野真千子ほか