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わたしだけのシルバーアクセサリー / 後田 麗

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アトリエM_こばやしいちこによるオリジナルブックレビュー。たくさん読んだ本の中かにおら、読者すすめの一冊をご紹介します。

わたしだけのシルバーアクセサリー / 後田 麗

銀粘土というのは、それを好きなようにこねたり、伸ばしたりカタチづくったりして、乾燥させる。子どもの頃、よく遊んだ粘土とは異なり、乾燥が早いのが難しいところ。スピード勝負。思ったカタチになる前に乾燥してしまうと、もういけない。水で濡らしたりしながら調整する。削ったり、磨いたりして、カタチが決まったら、800度超の高温の窯で焼けば、ピカピカキラキラの純銀になるものである。

文字通り粘土だから思いのまま。ペンダントトップや、リング、ピアスなどなんでも作れちゃう。粘土状の時に模様をつければ、焼きあがった銀の時に、想像以上に素敵になっていたりして、嬉しいおどろき。

この本は、出来上がったたくさんの素敵な作品とともに、わかりやすく作り方も載っていて、初心者の人でも最初に手を出しやすい、わりとシンプルな手法を選んでくれている。たとえば、アルミホイルをくちゃくちゃっとしたものや、コーム(くし)で模様をつけたり、ストローで形作ったり、身近だけれど、気付かなかった!目からうろこのアイデアがとても参考になる。初期の私のバイブルであった。

私が銀粘土に出会ったのは、もう何年も何年も前。自由になったら、まっさきにやってみたいと思っていた習い事、すぐに体験教室に申し込んだ。
自宅から自転車で5分ほど、ひとつ橋を渡ったところにその教室はあった。おしゃれな雑貨屋さんの店休日に、若い女性の先生が少人数で教えてくれるその教室は、私にとても合ったのか、夢中で毎週のように通った。習い事って、最初、自分でやりたくてやるはずなのに、だんだん面倒になってしまう(ワタシの場合ね)ことが多かったのに、この教室は、全然飽きることなく、毎回楽しかった。3時間ほど、ほぼ座りっぱなしで作業する。3時間も?!と思いきや、先生や、他の生徒さんとおしゃべりしながらだから、全然苦じゃない。私は毎週のように通っていたけれど、体験教室だけ、一回こっきりの生徒さんももちろんいて、一期一会、いろんな人がいて面白かった。素敵なモノをささっと作ってしまう、センスのいい人や、カップルでペアリングを作りに来て、お互いのリングを作り合っちゃったりなんかしている仲良しの2人、などなど……

ほぼ毎回、ひとつ新しいアクセサリーが手に入るのも嬉しかった。せっかくだから、と、銀粘土技能認定証が取得できるコースに切り替えて、せっせと通った。

そんな夢中な私に、「こういうの、見つけたから」と、このバイブルを買って来てくれたのは、母だった。きっと、見つけた、のではなく、探してくれたのではないかな?と私はにらんでいる。

銀粘土技能認定証が取れた後も、ブラッシュアップコースという、せっかく覚えた技術をさび付かせないためのコースに通った。このコースになっちゃうと、もう、課題があって、ああしなさい、こうしなさい、と言われず、好きなように好きなモノを作れるから、なおさら楽しかった。

当時、私と同じくらいの頻度で教室に通っていた、妙にウマが合う1人の生徒さんと、先生と3人で、時々教室終わりにランチに行ったりしていた。今現在は、その教室は閉めてしまったけれど、この3人で年に1度か2度は集まってランチをしている。私たちがアクセサリーを買うときの共通の基準は、
「これは作れるか、作れないか」
ということ。

どうせなら、作れそうなものは買いたくないよね~、となってしまう。
お金を出して買うアクセサリーのハードルが高くなってしまった。
でもでも、やっぱり、モノづくりって楽しい。

文と写真・こばやしいちこ

小さな頃から本が好き
映画が好き
美味しいものが好き
おせっかいに人に勧めたがり
愛犬・さくら(黒のトイプードル)を溺愛しながら、
毎日なにかしら本を読んでいます。

★このページでご紹介しているシルバーアクセサリーやポーチはアトリエM&Mでお求めいただけます。

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