日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
あなたに推しはいるだろか。最近は推し活というワードを耳にする機会も多い。
三省堂国語辞典第八版によれば、
【推し】とは、[…を]支持すること。ファンであること。
推し事は、ファンとしての活動、推し活ともいう
とある。
ちなみに【推し】のもう一つの意味は
[…が]推薦すること
とある。
ここでは前者のことを言う。
推しの程度は人によって異なるし、お金をかければいいというものでもないと思うので、
これは本物でこれは「にわか」というのは考えないほうが良さそうだ。
でも、推しがいるということは、活力になるというのは、間違いない。
先日、朗読ミュージカル『8000mの愛』という公演を観た。
この作品に出演されたのは、演歌歌手の丘みどりさん。
ミュージカル初挑戦ということだった。
兄を山で失った樋口杏子は、その兄の友人・風間を愛しやがて結ばれる。
しかし、一度は山を下りた夫は再び山へと導かれていき……。
丁寧な台詞運びと、持ち歌とは違うストレートな透き通る歌声が可憐で
この作品の登場人物・杏子に合っていた。
第一部の朗読ミュージカルが終わると、第二部は出演者によるミニコンサートが開催された。
第一部でもすでに丘さんのオリジナルTシャツらしきものを着ているファンの方はお見かけしたが、幕間に法被を着用する方が、一人、また一人。
お名前から、イメージカラーは緑色。
法被やTシャツを着て、うちわやペンライトを手にしたファンの皆さんの背中は
「いきいき」という言葉がぴったりだった。
緑のクローバー型のペンライトが曲に合わせて左右に振られると
なんとも幸せな空気が漂った。
あぁ、推しがいるって尊い。
演歌一筋で応援してきた方の中には、ミュージカルなんて人生初めてという方もいたかもしれない。
異文化コミュニケーションみたいでそれもまた尊い。
ファン同士が顔見知りだったり、おばあちゃんと孫で応援している人がいたり、
いくつになっても「好き」があって、それを共有できるっていいな。
こういう光景を見るといつも「あなたの好きはなんですか?」と聞いて回りたい衝動に駆られる。