日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
那覇2日目、ガンガラーの谷のガイドツアーに予約参加し、出発までをCAFEで過ごした話が前回。
ゆっくりのんびりのトーンで動き出したガイドツアー。
おしゃべり大好きな私は、すでに少し会話に飢えていた。
大人だから一人で行動できるけれど、人がいるところでは会話がしたくてたまらなくなってしまうタイプだという自覚がある。
(もちろん劇場とかでむやみやたらに話しかけたりはしないけどね)
ガイドツアーでは、おそらく職場のお仲間っぽい8～9名の男性ばかりのグループと、20代前半の大人しそうな男性二人組と私が同じ組で、1名のガイドさんがポイントポイントで止まりながら案内してくれた。
ガイドさんに追加で質問してみたり、リアクションしてみたり……は、皆、ゆるりと程よくだった。こういう時ってバランス感覚が大事だ。誰かだけがすごーくおしゃべりしたり、質問攻めしたり、マニアックなことばかり聞いていたりすると、「その人とそれ以外の人たち」みたいな構図が出来てしまって、味気なくなるからだ。
そんなわけで、そういう空気感も大切にしながら、時折はほかの人の質問に「いい質問すぎる！」みたいな合いの手を入れて、絶妙な距離感で進んでいった。
歩くガジュマルの説明は、へぇーそうなんだ！ だったし、天気が良くて木々の合間から光が見えると、それだけでちょっと神聖な気持ちになれちゃったりするものだから、言葉を発していない時は斜め上を見上げがちだった。
良縁や安産を祈る女性の洞窟イナグ洞を過ぎて、男性の洞窟イキガ洞へは、ランタンを持って暗い洞穴へ降りていく。
ちょっとしたアドベンチャー感を味わえる。そうは言っても「インディー・ジョーンズ」のテーマは流れて来たりはせず、あくまでも静かにのんびりだ。
神秘的な鍾乳石の前でも、一行はさほどはしゃがず、あまり写真を多く撮ることもない。
ガイドさんがちょっと水を向けてくれるけれど、意外とシャイで冷静な面々だった。
私も普段から自撮り習慣がないので、その感じも適当で心地よい。
そうして、次にこのガイドツアーでもっともフォトジェニックなポイント、大主（ウフシュ）ガジュマルが目の前に現れる。
これは参加した人だからこそ味わえる感覚！
ここでは参加者のグループごとに写真を撮れるタイミングを作ってくれる。
観光地でよくある強制的記念撮影、良かったら後で買ってね！ パターンではないのが好感。その分、ガイドさんは大忙しだ。でも慣れているから、すごく手際よく撮ってくれる。
シャイな二人組は、頑なにツーショット記念写真は断わっていた。「せっかくだから撮ればいいのに！」とおばちゃん感丸出しで口にしてみたけれど、「ダイジョブデスー」って感じだった。
で、私といえば、その分しっかりおちゃらけてポーズを撮った。
なんとなく上を見上げがち……の集大成である。
大きなガジュマルを過ぎるとゴールは近い。
ツリーテラスからの眺めは、心地よい風も相まってとても気持ちよい。
向こうの方に、1970年に約2万年前の人骨が発掘されたという場所があるという。
湊川人はこんな感じの場所から発見されたんですよーと、コース内で示されたのがこれ。
皆、なんとなく「？」が浮かんでいた。
「時間と興味があれば、ここから歩いて30分くらいの場所にあるので行ってみてくださいね」とガイドさんが言う。
ちなみに車だったら5分くらい。歩くと30分くらいと敢えていう感じが、まあ言うてもそんなに興味持ってないと思うので……感があってシュールだった。
いや、最初に車なら5分って言ってたかもだけど。
そんな感じで約1時間20分のガイドツアーがゴール地点にたどり着いた。
天気が良くて、気温もちょうど良かったので、さんぴん茶がうまかった。
「盛り上げていただきありがとうございました。こんなに拍手をいただくことは滅多にないです」と言っていたのも本当なのか、ネタなのかわからない感じのゆるさがとにかく心地良かった。
あー、参加して良かった！
のんびりとゆったりと、上を見上げたり、両手を広げたりしてみたら、思った以上にリフレッシュ出来た自分に気づいた。
別にさほど疲れていたつもりはなかったけれど、気が付いたら今年(2024年)もそろそろ終わりというタイミングだったから、なんていうのもあったかも。
リフレッシュしたらどうなるか。そう、お腹がすくんだよね！ ということで。
沖縄でおきたこと。
(つづく)
