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シティボーイズさんと「がんばんな!」

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

毎週日曜日の朝、フジテレビで放送している30分番組「ボクらの時代」を毎週録画して見ている。
毎週3人だけで進めるトーク番組で、MCがいるわけではない。映画やドラマ、舞台などのタイミングに合わせた役者さんの出演もあるし、1人がほかの2人に声をかける形で出演者が決まるというパターンもあるようだ。
正直、全く興味がわかない出演者の日もあって、そんな時は流し見になったりすることもあるけれど、この番組での話し方や居方、話の内容などからその人に興味が湧くということもあったりするので、いつからか毎週予約にして見ている。

さて、今朝の「ボクらの時代」は、これまで4度番組への出演歴があるというシティボーイズさんだった。
これがもう、私にとっては珠玉の回だった。

シティボーイズとは1979年結成のきたろうさん、斉木しげるさん、大竹まことさんからなるコントユニットだ。
物心ついた時にはテレビに出ていた人で、いわゆるお笑いブームとは違うラインでオリジナルのコントスタイルを持っているユニットというイメージだろうか。
役者としても個々に活動されている。

そのお三方は、年齢が72~73歳。きたろうさんは少し喋りがゆっくりになっていたし、
斉木さんは、話し出しの言葉を間違えて、大竹さんからツッコミを入れられたりという場面もあった。
加齢というシュールさが加わって、なんだかとても身近に感じてしまったのは、
私が高齢者と向き合う機会が増えたからだろうか。

30分番組のために、収録はどのくらいするのかは知らないが、途中にはこんなこともあった。
きたろうさんが「ちょっと休憩するか」と立ち上がったり、
斉木さんが「ちょっとおしっこ。行きたいと思ったらもう我慢できないんだ」と言って席を立ったりと、どこまでも自由。
でもそれが加齢×自由×ワガママ×笑い みたいにミックスされていて、思わず声を出して笑ってしまった。

その他にも、幼い子を慈しむ気持ちを素直に語ったり、
人との出会いや力を合わせることの大切を語った過去回の映像が流れたり、
最近のお笑いについて、
戦争についても話題にしていた。

そして、今のコミュニケーションについて大竹さんがこう言う。
「最近は、何でもすぐに調べられて、そのほうが早く正解が出るから、年寄りに聞く理由がなくなったんだ」
「便利なのに不幸になっていくよね」と斉木さん。
3人が頷いているのを見ながら、私もブンブン頷いていた。

今を否定しているわけではなく、あくまでも俯瞰して言っているところが、シティボーイズだ。

不幸とまでは思わないにしても、「便利が不便」と思うことは、私もしょっちゅうある。
それが加齢によるものだよと言われたらそうなのだろけれど、
歳を重ねてもシティボーイズさんたちみたいにコミュニケーションを取れたら楽しいなと思った。

録画を見終えた頃、義母宅にいる夫から写真が届いた。
お向かいのおばさんから、畑で採れたスティックブロッコリーとバジルをいただいたのだそうだ。
「がんばんな!」というやさしい言葉と共に。

やっぱりコミュニケーションっていいよな、すばらしいよなと思う。
そう思いながら今、保育園児の列に手を振る大竹まことさんの姿を少し離れたところからニヤニヤしながら見て、それに気づいた大竹さんから
「何こっち見てニヤニヤしてんだよ、可愛いんだからしょうがないだろうよ」という照れ隠しツッコミをもらう場面を想像してニヤついている。