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『エブリ・ブリリアント・シング~ありとあらゆるステキなこと』私たちのブリリアント付き!

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誰かと一緒に観劇すると、共感が何倍にも膨らんだり、違った目線がプラスされます。
作品をフィーチャーしながら、ゲストと共にさまざまな目線でエンタメを楽しくご紹介します。

今回ご紹介する舞台作品は、佐藤隆太さん主演の一人芝居エブリ・ブリリアント・シング~ありとあらゆるステキなこと~』。
ご一緒したのは、このフィーチャーコーナー何度目かの登場、整理収納コンサルタントで、一般社団法人 親・子の片づけ教育研究所(ファミ片) 代表理事の澁川真希さん。イマーシブ・シアター(没入型演劇)で一緒に没入した後、ブリリアントなことについてたっぷり語りました。

※以下、作品のネタバレを含みます。

7歳の僕は語りだす。母のこと、母のためにしたこと。心に重荷を抱えた母を元気づけるために僕は自分の周りにある「ありとあらゆるステキなこと」をリストにした。子どもらしい何気ないこと、意外なこと、父との会話やカウンセラーとの会話も。やがて僕は成長し、恋に落ち、結婚もする。あのリストはどうしただろう、何が書かれていただろう。あの頃流れていた音楽や、彼をとりまくあらゆることは、劇場にいる人たちとともに紡がれていく。

どこに座るかが肝
何度目かの人もいる一人芝居

澁川 2013年にイギリスで生まれた作品なんだね。まだたった10年前の作品か。
栗原 
日本では2020年に初演が同じく佐藤隆太さん主演で上演されました。気になってたし、話題にもなっていたのだけど見逃していたんです。
澁川 2020年は最終地の高知公演がコロナ禍で断念したと書いてある。
栗原 モノをたくさん使うから、コロナ禍ではなかなかすぐに再演はできないスタイルの作品ですよね。
この作品は観客参加型の作品でしたけど、今日私たちが観た回のお客様、悪目立ちする人もいなかったし、程よく積極的で観ていて楽しかったですよね。
澁川 そうね、程よく積極的だった。これはどこに座るかでだいぶ変わるね。
栗原 ですねー。私たちは早めに劇場に入れて、前から2列目どセンターに座りました。お客さんとしてはほんと、特等席ですよね。初めて観るなら私たちサイドに座るのがいいのかな。
※真ん中に絨毯が敷かれたステージがあって、客席は4方向、360度客席があるスタイルです。

澁川 後ろの方でもあんな風に参加が出来るから面白いなぁと思った。何度目かの方?は狙って反対側の席をとっていた感じだったよね。
栗原 ですね。正面以外の3方向は演者側というか、積極的に物語に参加する位置でしたもんね。それにしても頭を使うお芝居だなぁと思いました。佐藤隆太さんすごいよね。
澁川 希望者を募っていたけれど、計算もちゃんとされていた感じはあるしね。見極めが難しいよ。
※事前にカードを渡された人はそこに書かれている言葉を読み上げるミッションがあります。カード欲しい人!と募って渡していましたが、物語を進めるためのいくつかのキーマンはあるため、きっといろいろ配慮も必要になりそう。もちろん仕込みなわけではなく偶発的なことも受け入れつつお芝居は続きます。

澁川 サム(僕の彼女で妻になる人)をやった方、上手だった。
栗原 上手だったよねー。例えばすごく可愛らしくても本当に声が聞こえないとかあると思うけど、彼女がすごく良かった。
澁川 話の内容的には、昔の話じゃないわけだよね。1980年代が出てきたり。
栗原 そうでした。馴染みのある人名もたくさん出てきましたし、その中で生きることの難しさにも触れています。
澁川 それが実は「若きウェルテルの悩み」にまでさかのぼり、つまりは今も続いている普遍的なことで、やっぱり人ってそれだけ気持ちがうつりやすい生き物なんだよなと思った。コロナ禍もあって、今の芸能界ともリンクしているようなところがあったね。
栗原 親のことが子に影響するというのは、絶対ではないけれどパーセンテージは高いという背景も想像できてしまいますよね。
澁川 影響するし、自分がそうなるんじゃないかっていう恐怖があるよね。
※物語の中で、僕の母は生きることがせつなくなってしまいます。そういう母を持つ子どもとしての目線が物語の大きな軸にあるのです。この後、少し真希さんのご家族の話も体験談としてうかがいました。

親子の関係、いいことも不安なことも
引き継ぐっていうのはあると思う


澁川 自分自身の最初の子育ての時も、気持ちが落ち込むこともあったし、そういう意味では「なくはない」っていうことがよくわかっているから、彼の母がどんなだったか、感情の浮き沈みが激しかったというのは、想像が出来たなぁ。
栗原 躁鬱は波で押し寄せてくるから、落ちている時より躁状態になっている感じとか見るほうがドキドキするというか、そのあとズドーンときそうで心配になるよね。家族で、そういう状態を何度も経験している人だったらなおさらかも。

澁川 
結婚した後、妻のサムから言われたこと、そのメッセージが彼のところに着くまでに7年かかったっていうあのエピソードも、どこかで普通のように思っているけど、実際には普通ではないということに気がつくのは難しいんだろうなって思ったなぁ。
栗原 実際に生活はしているわけだから、どこにその不安定さが隠れているかわからないし、何がきっかけになるかはわからないもんね。
澁川 子どもの時のそういう体験はひきずっていくよね。
栗原 自分自身の気持ちだって容易にはコントロールできないのに、そこに親のコンディションが重なったら、やっぱりすごく影響を受けるよね。

澁川 ありとあらゆるステキなことを7歳で書き始める。最初はどんどん書けるけど、17歳になって、段々書けなくなってくるというのもすごくリアルだった。
栗原 私、ストーリー追い切れていないとこ、結構あるかも。
澁川 今日のお芝居の構造上、単純にストーリーだけに没頭できないところもあるね。それが面白いんだけど。
栗原 そうそう。「わぁ、あの人うまーい」とか、「うそー、これ偶然なのー?」みたいな演出家目線ってわけじゃないけど、「今の人の言い方、自然で好き」とかね(笑)。
澁川 だからこそリピートしたくなる気持ち、わかるね。

やっぱり部屋と人生って
つながっているのかも

栗原 音楽もいっぱい出て来たね。日本はカウンセリングとかを誰もが当たり前に受けている環境ではないけど、ああやって第三者が話を聞いてくれる環境って大事だったりするよなぁって思った。そういえば、またまた出てきましたね。
澁川 いる・いらないをわけるっていうワードね。
栗原 部屋の掃除っていう言葉が出てきた瞬間に、ん?と思ったらやっぱり出てきた。
澁川 たくさんのゴミを捨てたっていう表現もあったね。
栗原 そう考えると部屋の中って心の中と通じてるってことだよなーと、改めて思ったりして。
※舞台作品の中には、片付けるシーンって結構出てくることも多くて、人生のいろいろな場面において直面することなのだよなぁと実感。

澁川 今日も少しアフタートークをしてくれたけど、たしかにこの作品は毎回、振り返りが楽しいだろうね。
栗原 参加したくなる気持ち、わかるね。で、案外演劇部です!みたいな感じで台詞っぽくうまく読む人より、そうじゃないとつとつとした感じでしゃべる人のほうが良かったりとか。隆太さんも言ってたけど、今日の一言目の方のあの台詞は何度も出てくるけどすごく良かったよね。
澁川 人としての誠実さを感じた(笑)。

栗原 じゃあ、真希さん! 今日現在の私たちのブリリアント・シング(ありとあらゆるステキなこと)を出してみません?
澁川 「虹が見えること」
栗原 おお!いきなり素敵!
澁川 虹って気がつかないうちに出てるじゃない?この間たまたま家にいる時にベランダの向こう側の空に虹が出ていて、あっという間に消えていったんだけど……、嬉しい時間だったなぁ。
栗原 「生のフルーツで作るシャーベット」
澁川 「息子たちと旅先を巡れること」共有できるっていいなぁって思ってる。
栗原 「2~3日に一度する母とのなんでもない電話」結構気に入ってるかなぁ。
澁川 また子どもつながりになるけど、「長男が旅行の時にゴミ袋を持参してたこと」手荷物の中に彼はそれを入れていたの。子どもの時に私がやっていたことをそのまま大人になっても実行してくれてるんだなと思って。
栗原 デキる男だぁ。行動がイケメンだ!ブリリアント!! ブリリアントって思える自分んが好き……みたいのもありますね。
※この後も真希さんのデキる息子さんのブリリアントトーク続きました!

栗原
 とーっても魅力的な一人芝居。真希さんと観ることができてよかったです!
澁川 この近距離でこの体験が出来るって本当におすすめだよね。
栗原 単純にこの隆太さんに会いに行くっていうのが素敵だし。全国ツアーがあるから機会があればぜひ皆さんにも観ていただきたいです。

 

ロビーのパネルには観客のブリリアントシングがたくさん貼りだされていました

今回エンタラクティブしてくださったのは……
澁川真希 (Maki Shibukawa)さん
整理収納コンサルタント
一般社団法人 親・子の片づけ教育研究所 代表理事

整理収納コンサルタントとして2006年から活動開始。無理なく片づけられ、家事や仕事の効率がアップする、家具・物の配置プランやゾーニングが得意。2014年(一社)親・子の片づけ教育研究所を設立。片づけを通じて家庭からジェンダーギャップをなくし、社会を変えるべく活動中。モノとコトを「整える」ことで、暮らしを楽に快適にし、人生をしなやかに生きる女性が増えることを願っている。
COMFORT STYLE
一般社団法人 親・子の片づけ教育研究所/