フィーチャー PR

これは人を育てる物語『奇跡の人』

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

誰かと一緒に観劇すると、共感が何倍にも膨らんだり、違った目線がプラスされます。
作品をフィーチャーしながら、ゲストと共にさまざまな目線でエンタメを楽しくご紹介します。

今回ご紹介する作品は、これまで度々上演を繰り返してきた名作舞台『奇跡の人』
ご一緒したのは、Sunny Days代表で、一般社団法人 親・子の片づけ教育研究所(ファミ片) 理事の橋口真樹子さんと、整理収納アドバイザー2級認定講師の奥田美生さん

『奇跡の人』は、アニー・サリヴァンとヘレン・ケラー、そして彼女たちを取り巻くケラー家たちとの日々を描いた物語。
これまで名だたる女優たちが、アニー・サリヴァンやヘレンを演じてきた。目も耳も不自由なヘレンに言葉を教えるために、心と体を使ってまさに体当たりで向き合うサリヴァンと、思い通りにいかずに暴れまくるヘレンとの格闘のようなシーンは、本作の見所の一つとして有名。
過去にヘレンも演じた高畑充希さんが2度目となるサリヴァンを、ヘレンを今作が初舞台となる平祐奈さんが演じている。
演出は森新太郎さん、東京芸術劇場プレイハウスにて上演。

※以下、作品のネタバレを大いに含みます。

ヘレン・ケラーは1歳半の頃の発熱が原因で聴覚と視力を失った。父・アーサー、母・ケイト、義兄・ジェイムズらケラー家はわがまま放題のヘレンに振り回される日々。
ある日、盲学校を卒業したばかりのアニー・サリヴァンを家庭教師として迎える。サリヴァンは、自らのやり方でヘレンと向き合うが、なかなか思い通りにはいかない。
言葉を教え、モノには名前があることを繰り返し伝えるサリヴァン。
期限である2週間を過ぎても、ヘレンにはそれが伝わらずにいたが
……。

名作マンガ『ガラスの仮面』の
場面を脳内再生

栗原 お二人はヘレン・ケラーの物語にはどのタイミングで触れましたか?
橋口・奥田 マンガですよ!!
橋口 私たちは完全にマンガの『ガラスの仮面』からです。
奥田 舞台を観ながら並行して脳内再生し、あぁ、11巻のあの辺りだ……って思っていましたもん。
橋口 ヘレン・ケラーをどう演じるかっていう目線からしか観てなかったよね。
奥田 そうそう、マヤに近いのか、亜弓に近いのかって。
橋口 Wキャストでどうやって二人が自分のヘレンを作り上げるかっていうのが……、
奥田 サリヴァン先生が亜弓のお母さんで……、

(以下、『ガラスの仮面』の中の『奇跡の人』エピソードのシーンやセリフをお二人共丸暗記状態で熱狂解説!!)

橋口 
だから今日の舞台も、あの瞬間が、あの瞬間がって。もう二人でオペラグラスで見るタイミングが一緒だったよね。
奥田 
そうそう、あの(ヘレンが)鍵を口の中から出すところとか、わかってましたから、この後ニヤッて笑って井戸にぽちゃーんって落とすやつだって思いながらオペラグラスでのぞいてました。
橋口 もう楽しくてしょうがなかった。

栗原
 それだけ内容が頭に入っていたところで、最後の「water」のシーン(ヘレンがはじめて言葉の意味を理解して口にする場面)はどうでした?
奥田 素晴らしかったと思います。音楽もとても合っていた感じがするし。
橋口 すばらしかったですよ。
栗原 ポンプのシーンの何がいいって、3回くらいハンドルを押してちょっと間があってから水がジャーッと出てくるあの感じがすごくノスタルジックというかリアルというか。
橋口 ちょっと時間差があるんだよね。
※舞台上では、本物の水がジャージャーと出ます。

橋口 あのヘレンのお母さんが泣けたねー。
奥田 お母さん役はドラマ「ROOKIES」に出ていた人ですよね。
※舞台ではヘレンの母・ケイト役を村川絵梨さんが演じています。

愛すること、育てること、諦めないこと
ズドンズドンくる作品でした

橋口 それにしても至福の時だったなぁ。なんだかんだ言って子どもの頃の、あのいくらでも時間があって繰り返し同じものを読んでいた時代の小説やマンガが一番記憶として鮮明なんだよね。
栗原 ヘレン・ケラーの物語自体を伝記ものとして読んだりもしましたか?
奥田 一応読んでます。私、図書室で借りて読んではいると思うけど、もうその時はすでに『ガラスの仮面』目線で拾う感じでした。
橋口 マンガの中ではヘレン役をゲットするための苦悩のところが印象的だったけれど、このお芝居を改めて観ると、『奇跡の人』はやっぱり人を育てることのテーマが際立っていたよね。
奥田 そう思いましたー。
栗原 結構ドンピシャで、メモしたいセリフばかりだったんじゃないですか?

橋口 「100万語を覚えるのはいつ頃ですか?」 といわれて(サリヴァン先生が)「母親は赤ちゃんが言葉を覚えるまでを数えたりしませんよね」っていうセリフがあって、もうホントそう! と思った。こうなったらこうなるよね、ここまで頑張ったらこの成績出るよねっていう、今の社会の一番よくない、自分の子どもへの対応を物語っているような感じがしてあのセリフが一番心に残りました。
お父さんが言いそうなセリフだけど、あの芝居の中ではお母さんがそれを言うんだよね。
愛すること、育てること、諦めないこと、いろいろな意味でズドンズドン来る作品でした。
奥田 自分だったらと思うと・・・・・・。親の立場で言えば、お父さんとサリヴァン先生が最後の方で差しで語っているところもよかったですよね。
栗原 確かにあのシーン、印象的でした。大人になるとプライドもあるし、いろいろ素直になれないし、自分の足りていなかったことをなかなか認められなくなるけど、それを(父親も)認められたという奇跡を起こした気がしました。
橋口 全員があの数ヶ月で変わったよね。最後の2週間、その前を入れてもせいぜい数ヶ月の出来事なんだよね。それが実話だっていうんだからやっぱりびっくりだよ。
奥田 アニー・サリヴァン自身の生い立ちなんかはそれこそ『ガラスの仮面』では省かれている部分なので、今日の舞台で改めて知りました。
橋口 今日のお芝居を観て全方位的に補完された気がします(笑)。
奥田 そんな感じします。
栗原 たしかに、たしかに。

ピザからスイーツまでなんでもあってハズレなし グッドモーニングカフェ ルミネ池袋店

表情や指先もズームして
観たくなる演技

栗原 奥田さんは、お芝居(演劇)は初体験ということでしたが、改めていかがでしたか?
奥田 やっぱり生はいい、LIVEなんだなと思いました。
栗原 見づらいという印象はなかった?
奥田 ないです。でもオペラグラスさまさまでした。(2階席だったこともあり)なかったら表情までは見えないから、あそこまで感情移入出来なかったかもしれません。
橋口 特にこの作品は指文字とか、相手の顔を触って確かめるシーンとか、細かい演技が多いから。
栗原 そうですね。アクロバティックな動きは引きでも観れるけど、表情や指先なんかもズームして観たい感じしますもんね。
奥田 当たり前なんですけど、映画やドラマとかとは違ってここで今やっているんだという息づかいみたいなものが感じられて、それが醍醐味ですね。
橋口 セリフも動きも一つ飛んだり、段取り狂ったりしたら……なんて考えるとその緊張感がすごいよね。
栗原 アクションをつけるプロの方もいらっしゃるわけですけど、例えば日によって椅子の飛び具合とかだって絶対違いますよね。それをやれやれと拾いに行く感じとかもたくさんお稽古しているから自然に見えるというか、すごいですよね。
奥田 映画だったら撮り直し出来るけれど、舞台ではそれは出来ないですから、本当にすごいですよね。

まるで自然光のような照明
舞台美術もすばらしかった

栗原 高畑充希さんの存在感すごくなかったですか、あんなに小さな体で。
橋口 迫力あるというか、舞台映えするというか。
栗原 パンフレットにはこの作品を演じた歴代の人の名前が載っていましたが。
橋口 前は誰のサリヴァンとヘレンを観たの?

※その場では記憶していませんでしが、調べたところ2000年のサリヴァン(大竹しのぶ)、ヘレン(菅野美穂)バージョンと、2009年のサリヴァン(鈴木杏)、ヘレン(高畑充希)バージョンを観ていたことが確認できました。我ながらナイス!

奥田 鈴木杏さんや今回の高畑充希さんのように、ヘレンを演じて、その後、サリヴァンを演じるっていう王道ルートもあるんですね。
橋口 それってアニー・サリヴァンも昔は目が見えなかったという経験をしていて、見えないヘレンに対応するみたいなところと流れがつながっているよね。

栗原 
二幕、三幕と進むにつれてどんどん入り込むというか引っ張られる感じがしました。
橋口 緩急があったよね。笑いとか、テンポの良さもあって、楽しかったなぁ。
奥田 あの舞台セット(美術)も良かったですね。違和感がまったくなかった。照明も自然光っぽくて、えっ?って思ったし。すごい技術ですよね。
栗原 だから、いつも思うのは演出家の頭の中とプランをすり合わせてそれ以上のものを創り出すスタッフさんたちのすごさなんですよね。絶対的信頼が必要で、だから「なんとか組」みたいにまた同じスタッフの方と仕事をするというのもすごくわかりますよね。
奥田 漫画家さんが同じアシスタントを使うのと一緒ですよ。

奥田
 それにしても役者さんたちの体調管理ですよ。3週間の東京公演が終わって3日後には大阪で公演ってパンフレットにスケジュール出てましたよね。
栗原 今日ヘレンを演じた平祐奈さんはこれが初舞台ですよ。
奥田 
えっ、そうなんですか? それはすごいな。
橋口 
それにしても、何十年も前、私たちが子どもの頃に読んでいたマンガの中の『奇跡の人』とほぼ変わらずにこの舞台があるということは、どれだけ完成された作品だったのか、と思うよね。


栗原 お二人は『ガラスの仮面』の熱狂的ファンでいらっしゃいますが、ガラかめ自体も舞台化されたことあるんですよ。舞台では大和田美帆さんが北島マヤ役をされました。
※蜷川幸雄さん演出により2008年と2010年に上演
奥田 あーーーーーーっ! 私、それ観ました。埼玉で! ガラかめ好きな漫画家さんと一緒に観に行きました。スミマセン、演劇初体験とか嘘ついていました(笑)。

(以下、なぜ舞台『ガラスの仮面』を観たことを忘れていたかのインパクトある理由をオフレコ解説)

栗原 
次の観劇予定も決まってるそうですね。
橋口
 私は高畑充希ちゃんのミュージカル『ミス サイゴン』を観に行きます。
栗原 奥田さんは、演劇は数十年振りということでしたが。
奥田 チケットの取り方とか、全然わからないので、なんとなく縁がなかったですけど、やっぱり生の舞台はいいなと実感しました。ミュージカルもオペラも歌舞伎も、生の舞台いろいろ気になります。
栗原 実は演劇は作品にもよりますが、ミュージカルほど気軽に誘えないというところもあるんです。
橋口 たしかに、『奇跡の人』はある意味、定番というか、誰を誘っても満足してもらえると思うけど。別にガラかめ読んでなくてもね(笑)。
奥田 王道ですもんね。
栗原 さまざまなジャンルの作品がありますので、また是非ご一緒しましょう。今日はありがとうございました。

今回エンタラクティブしてくださったのは……
橋口真樹子 (Makiko Hashiguchi)さん 
Sunny Days代表

一般社団法人 親・子の片づけ教育研究所 理事
「整理力」と「7つの習慣」で、個人や家族の幸せな人生を整えるサポートが特徴。 家族の片づけに悩む保護者向けの講演会はオンラインのお問い合わせも多く、 子ども達を直接サポートするためのオンライン講座「7つの習慣J®」を伝えるファシリテーターとしても活動中。

Sunny Days幸せな毎日の「整理力」
奥田美生 (Mio Okuda)さん
元片付けられない整理収納アドバイザー

自身の経験談をふんだんに交えた講座では、前職(漫画家アシスタント)のスキルを活かしてイラストでの説明も。 講座と個人宅のお片付けサポートが主な活動。
オフィシャルブログ 元片付けられないオンナの整理収納育児まんが
3人共パンフレットを購入。なんか嬉しかったなぁ。