理由あって週イチ義母宅 PR

おかえりカレンダー

記事内に商品プロモーションを含む場合があります
理由あって週イチ義母宅に通っている。
これは、主にその週イチに起こる、今や時空を自由に行き来する義母とその家族の、ちょっとしたホントの話だ。

2020年12月30日に、こんな「理由あって週イチ義母宅」をSNSに投稿していた。

年が替わるタイミングではありますが、それは義母にとって日々の中の一時でしかありません。

今年も毎月、カレンダーへの書き込みを月末のひと仕事にしてきました。
このカレンダーは、測量会社を経営する義母の教え子が毎年送ってくれるものです。
月の満ち欠けが暦に入っていて、何より大きいのがいいのです。
先週だったでしょうか、2021年のカレンダーも届いていたのを見つけて、ルーティンが続けられると嬉しくなったものです。
一瞬、あることが頭に浮かんだものの、元日になったら吊し変えようと、以前は義母がデスクとして使っていた机の上にフワッと置いてやり過ごしていました。
そして今日。すっかり恒例の、「今日は何日だっけ?」の問答をしながら、
明日は大晦日、明後日は元日だよとカレンダーを指差し説明していた時。
「そうだ、新しいカレンダー!」と思いだしました。しかし、
……ありません……。
しばらくその辺りを探していると、2021年の1月のカレンダー1枚を発見。
そこには何かのレターを書き写したらしい、見ず知らずの整形外科のメニューが呪文のように気味悪く書き込まれていました。
2ヶ月に一度の病院デーを書き込むこともあるので、何かしらの影響はあったのでしょう。
しかしながら、カレンダー本体は見当たりません。
当の本人は、「そのうち送ってくるよ」とか言いますが、私が見たあの月たちは雲隠れ状態。
あんな大きなものがどこに行ってしまうのか、謎は深まるばかりです。
恐らく、代わりのカレンダーをどこかで調達してやり過ごすことになるのですが、諸々悔やまれます。
「ここに置いたら、ひょっとして……」と思ってたじゃないかー、私っ!

これまでも義母宅では、さまざまなものが旅をしてきた。

今も旅の最中のものもあるかもしれない。
いくつかのパターンも見えてきたものの、まだまだ驚かされることのほうが多い。

昨年末に雲隠れしてしまったカレンダー。
代わりのカレンダーを調達して、毎月予定を書きこむ作業を繰り返してきた。
ペンのインクが裏うつりして、テーブルに跡がついてしまったり、
何故かカレンダーごと外してしまうことが数回あったので、今は1カ月ずつ、月が変わるタイミングで、壁に貼っている。
そうやって、臨機応変に対応し、ルール化し、また見直しの繰り返し。

「「デイ」と書いて丸で囲んで」
「9時まで家で待つと書いて」
「12時、私の名前を書いて。私の名前はね……漢字はね……」

根気よく伝えると、根気強く義母が書き込む。
30とか31日分ってなかなかのボリュームだけれど、毎月義母はこれに付き合ってくれる。

2021年最後、12月のカレンダーへの書き込みがこの日のミッションだった。
買い物からもどり、しばし休憩という時に、何気なく、今は使っていない隣のリビングに行くと、
今は使っていないベッドの脇に見覚えのあるものを見つけた。
あのカレンダーだ。
昨年末に雲隠れしてしまった、教え子から送られてきたあのカレンダーだった。

いや、ここ、何度も通ってるし、見てるよ。
こんな大きなものがあって目に入らないなんてことはない、はず……。
残念ながらこのカレンダーにはGPSはついていないので、どこをどう通過して、
ここにたどり着いたのかはわからない。
けれど、最後の月に間に合うように戻ってきたんだね。
「おかえり、カレンダー」

月の満ち欠けが描かれているカレンダーだからというわけではないけれど、
「はやぶさ」が帰ってきた時のJAXAの人みたいな気分になった。
そして12月の予定はそのカレンダーに書き込むことにした。
数字も大きいし、発色もいい。

「どこにあったの?」
「いつ見つけたの?」
そんなことはもちろん聞かない。

12月になったら、また教え子さんから送られてくるといいな。
義母以上に私が、届くのを楽しみにしている。
もちろん、次は旅には出さない予定だ。