理由あって週イチ義母宅に通っている。
これは、主にその週イチに起こる、今や時空を自由に行き来する義母とその家族の、
ちょっとしたホントの話だ。
義母が誕生日を迎えた。なんと90歳になった。
本来なら私がちょうど義母宅に週イチで行く日だった、しかも今月は通院月だったのだが、
諸事情により、誕生日は息子である夫に終日託すことになった。
だからというわけで、前の週の訪問時に小さなブーケを買って行った。
立派な花かごや花束はむしろ目につかないところに置かれてしまう可能性が高いので、
グラスにちょこんと挿してテーブルに置けるくらいの小さなブーケ。
グラスに入れる前に手に持って記念写真もパチリ。
写真は嫌いじゃないようで、いつもいい表情で写ってくれる。
元教師は基本、真ん中で写真を撮られることに慣れている。
義母は小柄な人なので、学生時代からたいてい中央だったみたいだ。
これに関しては笑ってしまうくらい私と真逆。
背が高く、クラスの人気者キャラではなかった写真苦手の私の定位置は
たいてい後列端だった。
こういう圧倒的に共通していないところ、非共通点？ も
案外、今、義母と上手くやれている理由かもしれない。
夕飯を食べているであろう時間帯に電話をかけた。
「お義母さん、今日お誕生日だよね。おめでとうございます」
「ありがとうございます。おめでとうございます」
「お義母さん、今日でいくつになったんだっけ？」
最近、事あるごとに話題にし、投げかけてきた質問だ。
カレンダーにもデカデカと書いているが、まったく目には入っていなかった。
当日ならさすがに…と思って、ちょっと楽しい感じで聞いてみると、
「45歳くらいかな」
先日聞いた時は30代と答えていたから、今日はその記録は更新されなかった。
ちょうど半分の年齢のお答え。
ある意味ハーフバースデイ。
ハーフバースデイというのは、生後6カ月のベイビーちゃんを祝う日らしい。
10歳を祝う1/2（ニブンノイチ）成人式なんていうものもあるらしい。
待てよ、成人は18歳になったから、これも9歳に下がったのかな？
どちらにしても、90歳のちょうど半分の年齢で自己申告。
「そうか、まあ気分は45歳ってことにしましょうか」
と言って「元気で過ごしてくださいね」と言って電話を切った。
ちなみに、その場にいたら
「えーっ、お義母さん私より年下なの？ ちょっとぉー」とか言って
ツッコミ入れながらゲラゲラ笑うというのが最近の定番だ。
特に報告はなかったが、今日も主治医に内蔵の若々しさのお墨付きをもらったことだろう。
90歳になった義母との週イチ理由あり話はつづく。
