理由あって週イチ義母宅

手を変え品を変え

理由あって週イチ義母宅に通っている。
これは、主にその週イチに起こる、今や時空を自由に行き来する義母とその家族の、
ちょっとしたホントの話だ。

月末の恒例行事については、これまでも何度となく話してきた。
それは、カレンダーに義母の予定を書き込むことだ。

おかえりカレンダー理由あって週イチ義母宅に通っている。 これは、主にその週イチに起こる、今や時空を自由に行き来する義母とその家族の、ちょっとしたホントの話だ。 昨年末に旅に出ていたカレンダーが帰還したお話。...

明日はデイサービスがあるよ。9時にヘルパーさんが来るから心配しないでね。
勝手に出かけちゃだめだよ。
そんなメッセージに説得力を持たせるために、自ら書いてもらうようにしてきたのだ。

義母は美文字で書くことが得意だった。だからこれを選択してきた。
最近は、字をなかなか書けなく(書かなく)なってきた。
そして、カレンダーはほぼ見ていない。

それでも、電話口での会話や、ヘルパーさんとの会話にやはりカレンダーに書かれた予定が役立つこともあるだろうと続けている。

今年も残すところいよいよ2カ月となった月末。カレンダー記入デイの日。
私はニューアイテムを購入して、買い物から戻り、カレンダー記入タイムにした。

ニューアイテムとは、シールだ。
9時にヘルパーさんが来ることはこの際、置いておいて、デイの日と私や夫が来る日だけ、わかるようにしようと考えた。

大きな〇のシールに「デイ」と私が書き、それを義母に貼ってもらうことにする。
義母に「デイ」と書いてもらおうと思ったが、〇の中に収めるのはひょっとするともう難しいかもしれない。

「お義母さん、いろいろな色があるから、この中から好きな色を選んで」
これ、わけるくんを使って、義母に問いかけたことがあったっけ。
その時とほぼ同じ配色だ。
その好きな色という問いかけに、「好きとかそういうのはないよ」と言ったことを憶えている。
私が一番好きじゃない答えだ。
「じゃあ嫌いな色は?」と聞いたら、「そういうのもないよ」と言ったような。
頭が混乱していた時だったのか、平等を心掛け、優劣をつけないことをモットーとしていたのだろうか。
それはまあ、謎のままではある。
優劣は思いっきりつけていたはずだし。まあいいか。

「とにかくどれか選んで。何色にする? 赤? 青? 緑? 青? 黄色?」
白もあったが、それは外した。

義母が選んだのは黄色だった。
このカレンダーは、月の満ち欠けが描かれている。黄色の月を見て、それに引っ張られたのか、義母は黄色を選んだ。
内心、目立ちにくいなぁと思ったが、そもそもあまり見ないのだからと
義母の選択を受け取って、私が黄色の〇に「デイ」と書き込んでいく。

デイデイデイデイデイデイデイデイ
ずーっと書いているとなんだかわからなくなり、最終的には自分でも文字に見えなくなってきた。
私がそうなんだから、義母がこれを見て訳がわかるわけない。

それでもなんでも、シールを1枚ずつ剥がしてもらいながら、
ここに貼って!と指で示していった。

シール貼りは終了。月の満ち欠けの中に満月が20個近く増えた。
来月はまた違う色を選んでもらうようにすればいい。
このシールのシート枚数分はこの月例行事を続けよう。
手を変え品を変え、いろいろやっていくのが今の私のミッションか。

義母宅からの帰りに見上げたその日の空の月は、満月ではなかった。