ドラマの中には暮らしや整理収納のヒントがあふれている。
あのテレビドラマのシーンから整理収納のプロが分析・解説する!?
ちょっとニッチなドラマレビュー。
小さなころからテレビドラマが大好きです。
妄想癖がある私は画面を見ながら自由自在に思いを巡らせていました。
整理収納アドバイザーになってからはそのシーンや内容は「整理収納」とリンクしても楽しめるようになりました。
今回私が取り上げるドラマは、山下智久さん主演の「ブルーモーメント」です。
ひつじのまなざし㉖で取り上げた「正直不動産2編」の山 P とはかなり違う役柄(どちらかというとこちらがいつもの山 P?)で気象を扱ったドラマになっています。
「ブルーモーメント」とは「夜明け前と夕焼けの後のわずかな隙に訪れる、辺り一面が青い光に照らされてみえる現象。*1」をさす。
ドラマではこの現象が、変わらない毎日を迎えられるとても大切なものとして象徴されている。
多発する気象災害に対して、今までの仕組みから外れ、気象知識を軸に陸海空の自衛隊や海
上保安庁、気象庁、関係分野の学者と共に解決する政府主導の SDM(特別災害対策本部)。
その SDM の気象班チーフで気象学の天才 晴原柑九朗(山下智久)が甚大な災害から人命を救うため、地形・レスキュー・医療などに卓越したエキスパートと共にチームを作り上げてゆく様を描く。
気象リテラシーを高める。でもここ大丈夫?
近年自然災害は増えつつある傾向で、このドラマを観ていると、いつ自分の周りに起きても不思議ではないと怖い思いがします。
地震は最近も増えていますし、南海トラフ地震は30年以内に70~80%の確率、首都直下地震も30年以内に70%の確率で起きると予測されています。*2
また、近年多い強度の強い雨は80年代と比べて2倍になっています。*3
そんな中、タイムリーな内容に関心も高まりますね。
晴原は気象リテラシー推進のためお天気コーナーやイベントにも積極的に参加しています。
気象に関する知識や能力があれば、いざという時に自分や家族の身を守ることが出来ます。
今回の「雪山での雪崩」の回では雪崩に合ったとき、「真横に逃げる」「くぼみを目指す」「巻き込まれたら口の前にスペースを作って呼吸できるようにしておく」などの情報がありました。
今後の放送でもきっと様々な気象災害に関する情報が知ることが出来るのはありがたいです。(しかもドラマを楽しみながら)
さて、気象リテラシーが高まったところで、気になったのは肝心の晴原のオフィス。
オープン棚に様々な重そうな書籍、書類、箱。それは晴原のデスクの頭上にまで置かれています。
オープン棚は中身がすぐにわかって取り出しやすく、しまいやすいのでとても便利ですが、大きな地震があったらどうなるのでしょう?
画面に映っているモノが一斉に落下して、もはや災害対策の指示どころではありません。
指示できるのは今のところ晴原だけのようですし(これも心配。晴原に何かあったら……)早急に耐震ラッチ付きの扉付き収納にして、頭上のモノを撤去してくれることを願います。同じくSDM 本部も頭上にモノが置かれていますよ~大臣、危ない!
レスキュー隊員に学ぶ。モノの場所を決めるだけではだめ。
SDM のスタッフとしてレスキュー隊員も登場します。
遭難者の救護にあたるとともに、自分の命も守らなければならない過酷な仕事。
今回の雪崩による遭難者救出でも素晴らしい活躍でした。
救護者捜索の時に着用しているユニフォームや背負っている大きなリュックにはたくさんの救護に使うモノをしまうポケットなどがついています。
救護用品はどんな状況(大雨、吹雪、火事)でもいざという時にパッと取り出す必要があります。
ということは、それらはしまう場所が大切なだけでなく、取り出し、しまう訓練がとても大切なはずです。
普段、整理収納アドバイザーとしてモノの収納場所を考えますが、特に災害時に緊急に使うものは場所を決めるだけでなく、すぐに取り出す訓練も必要なのでは、と思い至りました。
例えば、自宅で被災した場合、緊急に使うモノはヘルメットや持ち出し袋、消火器などでしょうか。普段落ちついている時ならできることも緊急時はできなくなりますから、体で覚えるようにしておくことは考えている以上に自分を助けてくれると思います。
そしてできれば、それは家族皆(チーム)ができていることもとても大事! とも思いました。
気象に関する知識で面白かったのは雲の話。
かなとこ雲は暴風
うろこ雲は天気変化
おぼろ雲は雨
山に笠雲がかかれば雨や風
というように天気の予兆が雲からわかるそうです。
知っているととても便利そうだけれど、私の場合、各雲の形がパッと浮かばないのが問題。
(特にかなとこ雲は初めましてです。でも好きな雲は真夏の入道雲!)
ドラマと共に勉強したいと思います。
*1:Weblio 辞書より
*2:国土交通省 国土交通白書より
*3:気象庁資料より