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「僕たちはまだその星の校則を知らない」に観る整理収納

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ドラマの中には暮らしや整理収納のヒントがあふれている。
あのテレビドラマのシーンから整理収納のプロが分析・解説する!?
ちょっとニッチなドラマレビュー。

小さなころからテレビドラマが大好きです。
妄想癖がある私は画面を見ながら自由自在に思いを巡らせていました。
整理収納アドバイザーになってからはそのシーンや内容は「整理収納」とリンクしても楽しめるようになりました。

今回取り上げたドラマは磯村勇人さん主演の「僕たちはまだその星の校則を知らない」です。
磯村勇人さんは以前から大注目の俳優さんで今ドラマが民放初主演!ドラマで知ったのは朝
ドラ「ひよっこ」の主人公みね子の恋人のコックさん役。その後「きのう何食べた?」での癖が強めのジルベール、そして昨年話題になった「不適切にもほどがある!」のむっち先輩、映画では「正欲」「月」など、シリアスでチャレンジングな役もされています。

主人公の白鳥健治(磯村勇人)は、風の色が見えたり、音の匂いがわかるといった特別な感覚を持った子供だったため一風変わった言動が多く、学校に馴染めず、いじめを経験してきた学校が大嫌いな弁護士だ。そんな健治が「スクールロイヤー※1」としてとある私立高校に派遣されることに。学校での様々な問題に法律家として関わる中での健治や生徒たちの成長を描く。

健治と生徒たちの青春にキュン

高校に通い出した当初、健治は校内で起きた問題を法律に乗っ取った方法で淡々と解決し
ようとします。例えば、あるカップルが別れた時。一方的に彼女からフラれた男子生徒が「これはイジメだ!訴える」と言い出します。健治は弁護士の立場から被害者がイジメと感じたらそれはイジメであり相手は加害者であるとルールの通りに進めようとするのです。そのような行動の背景には、健治がイジメから登校拒否になり、友達もいなかったことが原因となっているようです。その時の健治は自分をイジメた同級生や放置した先生の滅亡を望んでいました。
だから法律という社会の決まりを学ぶことで世の中の善悪を自分なりに整理し、自分を守り、ちょうどよい距離を保ってきました。そのため白黒のつかない感情を汲み取ることは苦手でした。
しかし国語教師の珠々先生(堀田真由)や生徒との会話の中から健治は、今まで感じたことのない「人と人とが交流することから生まれる温かな感情」を知り、幸せを感じ始めます。
その喜びの表現がとても素敵で「学校が好き」や「ありがとう」という言葉からピンクの色や光が飛び出し、戸惑いの中にもあふれる健治の喜びの表情が、見ているこちらまで幸せな気持ちにしてくれます。
友達のいなかった健治にとって、そんな感情を味わうことは遅れてやって来た「青春」を生徒たちと一緒に感じているようでキュンとします。

行動の裏にある気持ち

一つ一つの問題を解決するために、関係する人の話や気持ちをしっかり聞くようになった健
治。物語を追っていくと、行動や言動だけでは計り知れない、その裏には繊細な心の動きがあるのだということに改めて気づかされます。
「そこに愛はあるのか?」
CMじゃないですが、これって日々の片付けでも大事な事だなあと思うのです。
例えばよくわからない紙片や何十個も同じような折り紙とか捨ててしまうのは簡単だけれど
立ち止まって「とってある理由」に思いを馳せてみる事。自分にはわからない気持ちがそこには在るのかもしれないと想像する事(ないことも多いけれど)だったり、次に使う人のために使いやすい配置を考えてモノを置きなおすとか、忘れ物の多い家族のために必要な物を取りやすい場所にそろえて置いてあげるとか、それって「愛」ですよね。やっている方は「これは愛だわ!」なんて思わずにほとんど無意識だと思うのですが、やってもらった方は案外「私のためにありがたい!」って愛を感じたりするもの。 そんな積み重ねが情愛や絆を作っていくのかもしれないなあと暖かな気づきをもらったような気がします。

このドラマでもう一つ素敵なところはなんといっても健治の独特なセリフです。宮沢賢治バリの擬音や表現がドラマの色をとてもやさしくしています。
例えば珠々先生の声を
「先生の声はけなげな鈴が銀の粉を撒きながら震えているようで、とても心地がいいです。あなたみたいな先生もいるんですね。」
なんて言ったりするんです。
これはなかなか健治でないと成り立たないセリフですが、磯村勇人さんがまさに健治なので
不自然に聞こえない。さすがです。素敵です!
もうドラマは大詰めですが、1話完結なので楽しめますし、Netflixなら全話観れます。
宮沢賢治好き、星好きの方も是非。

※1:スクールロイヤーとはいじめ、不登校、保護者対応、学校事故など、学校で発生する様々な問題について法律に基づいた助言や指導を行う弁護士の事。文部科学省が2018年から予算化し、全国でスクールロイヤー制度を導入する学校が急増している。(ドラマHPより)

文・みのわ香波
ひつじPlanning主催 整理収納アドバイザー。
ドラマを観る時は「ながら観」はせず、できれば一人でじっくり派。
登場人物の観察からの妄想がルーティン。
ドラマは「暮らしを切り取ったもの」、整理収納は「暮らしそのもの」
「映画に観る整理収納」「ドラマに観る整理収納」(ブログ専用ver)はひつじPlanningのちょっとずつお片付けでゆるっと掲載中。
僕たちはまだその星の校則を知らない

放送:カンテレ 毎週月曜 よる10:00〜
脚本:大森美香
音楽:Benjamin Bedoussac
出演:磯村勇斗、堀田真由、平岩 紙、市川実和子、日高由起刀、南 琴奈、日向 亘、中野有紗、月島琉衣、近藤 華、越山敬達、菊地姫奈、のせりん、北里 琉、栄莉弥、淵上泰史、許 豊凡(INI)、篠原 篤、西野恵未、根岸拓哉、チャド・マレーン、諏訪 雅、坂井真紀、尾美としのり、木野 花、光石 研、稲垣吾郎ほか