紅茶コーディネーターのイノチカが、さまざまな角度から紅茶と共に過ごす時間をご提案するオリジナルエッセイ。
好きなのは紅茶を愉しむしあわせな時間と空間。
一人の時もあれば、大切な誰かと一緒の時も。自宅をはじめ居心地の良い場所でのTeatime。
私の人生の中で、紅茶と紐づく記憶は、いつもしあわせと結びついています。
暮らしに紅茶を取り入れて、日常にもっともっとしあわせな時間を増やしていくことができたなら……。
紅茶にまつわるあれこれを綴ります。
どうぞ紅茶を片手にお付き合いください。
《Tea and・・・マリーアントワネットがくれた勇気》
「紅茶が好きです」というと、「まあ素敵! 優雅ですね~」と言われることがあります。確かに、紅茶=豪華絢爛な貴族文化=優雅のイメージ……わかります。
豪華なテーブルコーディネートもとても素敵ですね。
ただ、私はあまりモノを増やしたくないという気持もあり、自宅でのティータイムはいたってシンプル。
小物でアレンジしやすく、わが家の雰囲気に合う白磁のティーセットを使っています。
さらに、朝やティーバックで淹れる時はたっぷり入るお気に入りのマグカップ。
茶葉も地名が付いたオーソドックスなものがほとんど。
優雅という雰囲気ではありませんが、自分好みに紅茶を淹れて愉しんでいます。
雰囲気も美味しさに影響するので、自分が心地よいと感じることが一番だと思っています。
先日、久しぶりに小学校時代の友人と会う機会がありました。
何年振りかの再会でしたが、元気で会えるというのは本当に嬉しいものです。
お昼のあと、少し時間があったので、駅前のホテルのティールームへ。はじめてのところでしたので、どんな種類の紅茶があるのか、ワクワクドキドキ。
普段飲まないフレーバーティーや、オリジナルブレンドティーなどがあるとつい選んでしまいます。
今回出会ったのは、フランスのフレーバーの老舗NINA‘Sの「マリーアントワネットティー」
ヴェルサイユ宮殿の傍らに位置する王立農園「ル・ポタジェ・ド・ロワ」で育てられた、様々なリンゴとバラの花びらで香りづけされているそうです。まさにヴェルサイユのバラを使った優雅な紅茶です。
(後で知ったのですが、NINA‘Sから〈ベルサイユのばら〉誕生50年記念コラボ商品も出ていて、池田理代子氏の漫画イラスト入りパッケージのマリーアントワネットティーもあるようです!)
1杯目、リンゴのフルーティーな香りの後、甘く優しいバラの香りを感じ、うっとり。
思わず深呼吸。
2杯目は紅茶の旨味や渋味のバランスも良くおいしく頂きました。
3杯目、おしゃべりに夢中になる中、ティーウォーマーで温められた紅茶は濃く渋くなっていました。とてもそのままではいただけません。
ホットウォータージャグは付いてこなかったので、あきらめようかと思っていたのですが、やっぱりもったいない。
ちょっと勇気を出して、「お湯を少し、いただけませんか?」とお店の方に聞いてみると、銀製のホットウォータージャグを快く持ってきてくださいました。
なんというしあわせ!!!
ありがたいことに、最後の一滴まで、温かくおいしい紅茶を頂くことが出来ました。
マリーアントワネットティーはお店で頂くほか、通販で購入することもできるようです。機会がありましたら、試してみてはいかがでしょう。
ベルばらファンの方も、そうでない方もバラの香りに包まれると、優雅でしあわせな気分になれると思います。
紅茶にはリラックス効果や風邪予防の効能もあるといわれています。
紅茶を頂けるしあわせにこころから感謝するとともに、たくさんの方に、心穏やかな時間が訪れることを願っています。
ますます寒さも厳しくなる季節、紅茶とともに、温かくしてお過ごしくださいね。