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没入せよ! チームラボプラネッツ

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気になるプロダクトやプロジェクトをエンタメ性や整理収納の考え方に寄り添いながら紹介し、読者の「キニナル」を刺激します。

話題の施設に行ってきた。
東京・豊洲のチームラボプラネッツ。
2018年から2023年末までの予定でオープンしているデジタルアート空間だ。
流行りものにはあまり飛びつかないというか、飛びつけないあまのじゃくタイプなので、
乗り遅れたまま見過ごすことも多いけれど、遠方から来る友人を交えて
「せっかくだからこんなところ行ってみない?」と誘っていくことが出来た。

このハッシュタグで検索をかければ、世にも美しい映える画像が数多出てくるし、
チームラボプラネッツの公式サイトを見れば、デジタルアートの数々を動画で見せてくれる。
だからここでは、事前情報を入れなさすぎると困るかもしれないポイントを思い出しながら書いてみよう。

・チケットは予約制。売切れや残数わずかの状況もわかるので、サイトのカレンダーで要チェック!
・予約をしていても入場時には列に並んで開場時間を待つことになる。並ぶ前提と心得るべし。屋根のない場所に並ぶので、日よけや暑さ対策も怠らないように。
・数名で予約している時は、1つのQRで入場可。ただし、入場口が異なる可能性があるので係の方に要確認。

ちなみに、入場待ちのエリアでは、係の方がきびきびと誘導してくれていた。外国人観光客もそれはそれは大勢いたのがびっくり。豊洲市場も含めてのおすすめコースなのかなぁ。

・エントランスをくぐると靴を脱いで裸足になる。ロッカーにはカバンや上着を入れること。小さなバッグや飲み物も持ち込みはNG。たいていの人はスマホだけ持って入場する。

裸足になることは、事前注意の項目を読めば記載されているが、チケットを取ってくれた友人に言われなければ見過ごしていたかもしれない。ひざ下までまくり上げられるボトムスでいくこと。うっ血しちゃいそうなスリムパンツとか、まくってもスルッとすべっちゃう素材だと困るかも。

ちなみに、裸足になるなんて! と慌ててネイルサロンを予約するべきか? 基本、館内は暗いのでたぶん大丈夫。でも明るいシーンでおみ足も入れて写真におさめたい方は、サロンへGO! かもね。

さて、いよいよデジタルアートの旅がはじまる。
初っ端から水に浸かる。つまり、ケガしている方とかはもうこの段階でNG。別のルートも係の方に言えば案内してもらえるけれど、結構な割合で楽しめないエリアが出てくるので、万全の状況で入場したい。

「水で濡れた足はどうしたらいいの? タオルを持って行くべき?」
心配いりません。足を拭くタオルはちゃんと用意されているから。でも、ここでなんとなくスーパー銭湯な気分になってしまうことはうーん、仕方ない。

足を拭いて次に向かうのは、真っ暗な空間。
足を踏み入れると、次の瞬間、足をとられる。やわらかいブラックホールだ。
やわらかいブラックホール - あなたの身体は空間であり、空間は他者の身体である
運動不足の方は要注意。本当に足をとられる、体が重い。
軽々と進む子どもたちの足取りを見て、うらめしや~と思ってはいけない。
うらむべきは自分の体の重さ、筋肉のなさなのだから。

真っ暗な世界にようやく目が慣れたと思ったら、今度は光の世界。
The Infinite Crystal Universe
光の粒が線になって、色を変えて、速さを変えて体を取り囲む。
スマホに入れたアプリを操作すると、それに合わせて空間が作られるらしいが、
これは実際の現場ではなかなかそうもいかない。
ホームページの動画で事前または後日チェックして楽しもう。

その代わり、こんな写真が撮れた。これもまた、アートに見えるような……。

ふたたび足が水に浸かるエリアへとやってくる。
人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング / Drawing on the Water Surface Created by the Dance of Koi and People - Infinity
水面にはデジタルアートの鯉が泳ぐ。花びらも浮かんでいる。
人がいる箇所に鯉が集まってきたり、花いかだのようになったり、一定ではない。
自分の足元を見たり、遠くの水面を見たりするうちに体全体が水の中にいるような感覚にも陥る。
極端に鯉や魚が苦手な人は、割と早めにこの場から出ることになるだろう。
もちろん、本物ではない。まして角質を食べてくれる魚なわけでもない。
ひざ下まで完全に水に浸かるので、あまり小さいお子さんは難しいかも。
親御さんは抱っこする体力も持参で。
ちなみに、私たちが訪れたタイミングでは、バシャーッと転んだり浸かっちゃったりする人は老いも若きもいなかった。

足を拭いたらカジュアルでドリーミングな世界が現れる。
意思を持ち変容する空間、広がる立体的存在 - 平面化する3色と曖昧な9色、自由浮遊 / Expanding Three-Dimensional Existence in Transforming Space - Flattening 3 Colors and 9 Blurred Colors, Free Floating
球体にタッチすると色が変わります! と声かけをしてもらったが、
実際のところはそうもいかない。タッチする人だらけだからだろう。
でも、あまり気にせず、しばらくそこにいれば、球体とその空間は次々に変化を見せる。
自分が好きな色になったらなんとなく心がはずむし、そうじゃない色になったら非日常を感じる。
人が多いから、自分が触れていなくても球体が近づいてきたり動いたりするのもまたユニーク。
自由浮遊の反対で、自分では制御がきかないこれもまたなにか感じられる気がするような。

続いて向かったのは、もっとも没入感を覚えた
Floating in the Falling Universe of Flowers
フロアでは皆、寝転がって天井を見上げる。
実際に寝転がってみた。花が咲き、舞い、散っていく。
花はどうやら四季の移り変わりを表しているようだ。
知っている花の名を口にしながら、しばしその時間に身を委ねた。
散って流れていく花を惜しむうちに、次の花が蕾から咲きはじめると、巡っていくことに喜びに似たものを感じられるのが不思議だ。
花は時折ぐっと近くに迫ってきて、体がぐるぐると動いているような感覚に襲われる。
三半規管の弱い方は少し酔ってしまうかもしれない。
不思議なのだが、今、この文章を書きながら、少し目がまわってきた。
映像は見ていないのだが……。
あ、これはあくまでも私の場合。
ちなみにこの時、私たちはかなりの数の花の名前を言うことが出来た。
なんとなく嬉しかった。桜の花が再び咲いたところで一周した感じでこの空間から抜けた。

ここで少し正気に還る時間が出来た。明るい空間(外)に出るために、しばし待機することになったからだ。
理由はサンダルを履いて外に出るから。
裸足でサンダル。人数の関係もあって、ほどよく制限されるのだ。
ちなみにここで履くサンダルもスーパー銭湯みがある。
だからなんだというわけではない。

呼応する小宇宙の苔庭 - 固形化された光の色, Sunrise and Sunset / Moss Garden of Resonating Microcosms - Solidified Light Color, Sunrise and Sunset
暑い日だった。苔は雨の日ほど美しいとは、京都の庭園を巡ったときに聞かされた話だが、
そういう意味でもきっとこの日のこの苔庭は美しいより不思議が勝った。
光る卵のようなアートを背景に見るとバーチャルな世界に紛れ込んだようだった。
この庭、日が暮れるとかなり幻想的でいいらしい。

いよいよ最後のエリアに来た。
チームラボプラネッツの画像として恐らく一番たくさんアップされているであろうエリアがここだ。
Floating Flower Garden: 花と我と同根、庭と我と一体 / Floating Flower Garden: Flowers and I are of the Same Root, the Garden and I are One

天井から下がっているランの花々は、生きている。
そして人が近づくとそれは上に上がり、人気がなくなると下におりてくる。
床は鏡になっているので、上を見ても下を見ても花に包まれる。
横も鏡になっているので、右を見ても左を見ても花に包まれる。

ただし、花以外に人がたくさんいるので、完全なるそれとは違うけれど。
「競争のない世界に最適化したランの多くは、進化のもっとも最後の方に現れたと考えられ、今もなお多様化し続けている。」
とホームページにあった。
たしかに花々は、さまざまな色や形をしていて、可憐なものもあれば近づきがたい雰囲気を持つものもある。

このエリアは時間で区切られ、ある程度の時間が過ぎるとエリアから出るよう促される。
多様化する現代の中で、時間に区切られ誘導される私たちは、花から見るとどんな存在なのだろう……なんて考えてみたりみなかったり。

そうしてチームラボプラネッツの旅は終わった。おそらく気づかなかった仕掛け、体験しなかった瞬間のほうが多いのかもしれない。
でも、行かなければ見れないものをたくさん見て、感じたひと時だった。

結局こんなに楽しそう

大人気のチームラボプラネッツ。
はっきり言えば、人を見に行ってる感もところどころで感じる。
でも私たちは、コロナ禍で街に人がいないあの時間や、人数制限や外出をためらう日々を知った数年間を過ごしたからだろう、並んで、人だらけだと軽く文句を言う感覚ですら愛おしい。

製作者、アーティストの当初の意思や想像を超えたものが、すでにここに存在しているのかもしれない。

公式サイト https://teamlabplanets.dmm.com/