私のアンフォゲ飯 PR

美味しさが更新されるすき焼と団らん

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誰にでも忘れられない味がある。ふとした瞬間に思い出したり、その味と共に記憶がするするとよみがえったり。あなたのunforgettableな味から記憶を整理します。題して私のアンフォゲ飯。

今回アンフォゲ飯を語っていただいたのは、ギフトショップ  [-Kaninchen-]のオーナーで占い師のかわほり兎々(とと)さん。ある時期、ある場所で毎年食べている味と時間についてお話しをうかがいました。

-- 兎々さんの忘れられない味をお聞かせください。
かわほり 冷製の桃のスープとか、ズワイガニの欲張りパスタとか、忘れられない味はたくさんあるのですが、私がアンフォゲ飯としてご紹介したいのは、毎年、その美味しさが更新されていく「すき焼き」です。

-- 王道のごちそうメニューです! 美味しさが更新されていくという部分が気になります。どこで食べるすき焼きなのでしょうか。
かわほり 
年末年始にパートナーの実家にお邪魔した時にいただく「すき焼き」なんです。千葉県に引っ越してきてからなので、初めてお邪魔したのは7~8年前になります。年によって年末のこともあれば、年始に伺うこともあるのですが、家族団らんの場に私も混ぜてもらうというスタイルです。
6歳年下のパートナーのご家族と過ごすその時間はいつからか毎年の楽しみな行事になっています。とはいえ、初めて伺った時はかなり緊張して借りて来た猫状態でした(笑)。
なぜその「すき焼き」が私の中で思い出の味になるかといえば、家族団らんを初めて感じられた場所だからなのだと思います。
私は実家と折り合いが悪く、鍋を囲んで楽しい時間を過ごす、美味しいものをいただくという記憶があまりありませんでした。正直なことを言うと自分の実家で食べてきた味の記憶は、「すき焼き」に限らず全体的に薄ぼんやりしているんです。私自身がその場に居心地の悪さを感じていたせいだと思います。だから余計に、パートナー宅でいただく「すき焼き」の味は、人生初のすき焼き! みたいな美味しさだったんです。

-- 気になる「すき焼き」の味を具体的に教えてください。家ごとに入っているものやルールがいろいろですよね。
かわほり 
牛肉はパートナーのお父さんが年末の市場で張り切って買ってきてくれた、ちょっといい肉です。なんと松坂牛! ほかには春菊、白菜、ネギ、ゴボウ、いとこんにゃく、焼き豆腐、しいたけが入っています。ご両親が西の方なので、すき焼きは関西風ですね。タレと肉汁を吸ったゴボウもめちゃくちゃ美味しいです。
味も見た目もシンプルで、とにかく肉を食べよう! というすき焼きで、おいしいお肉をとき卵につけていただきます。

-- 美味しい「すき焼き」を食した時、兎々さんはどんなリアクションを取ったのでしょう。
かわほり えーっと……、その場の食事に集中していました(笑)。肉を前にすると普段からそうなりがちなんです。でも、初めの頃はやはり緊張もあったかもしれません。団らんの中心にはパートナーとお母さんがいて、特にお母さんは私の仕事のことなども聞いてくれたりしつつ、お肉が足りているかも気遣ってくれて、なんというか、とてもナチュラルであたたかい空気感がその場を包んでいました。

-- 初めの頃は借りて来た猫状態だったと言われていましたが、年を重ねていくごとに兎々さんもその雰囲気に慣れていったという感じでしょうか。
かわほり そうですね。食事の後にはコーヒータイムがあって、もう少し団らんというか家族でのおしゃべりが続くのですが、4年目くらいになった頃から私は気を使うことなく、おしゃべりの輪に参加したいときだけ参加しています。時には、猫と戯れながら寝ちゃったりもすることも(笑)。団らんを通り越して、完全にくつろいじゃってますね。でもそれを許してくれる関係、私が警戒心を解いていい場にしてくださっていることが本当にありがたいなと感じています。
パートナーは、私が家族というコミュニティを苦手に思っていることを知っているので、自分の実家に連れて行くことが負担になっていないか、すごく気にしてくれていました。私にとっても今ではすっかり年末年始の恒例行事となっていて、「行きたいから行く」になっていることをちゃんと伝えられるようになりました。

-- 互いを思いやる気持ち、大切ですね。相手の実家に行くのは実は苦痛なのに、当たり前の顔をされてストレスが溜まるなんて話もよく聞きますから(笑)。パートナーのご家族を見て改めて感じることってありましたか? 似ている部分とか。
かわほり お母さんはおしゃべりがお上手で、お父さんはウンウンと話を聞く温和なタイプ。その関係性はパートナーと私との関係に似ている気もします。私はどちらかというと聞き役というか、受け身なので。なんだか不思議ですね、まさか私が家族ぐるみのおつきあいが出来るようになるとは、想像出来ていませんでしたから。自分の中での新感覚なんです。

-- 兎々さんは、タロット占いなど普段から人のお話を聞くのがお仕事でもあるので、そういうバランス的にも相性がいいのかも。「すき焼き」の美味しさが更新されていくということの意味もわかる気がします。
かわほり 
すき焼きの味に関していえば、それは完全に私の主観の問題だと思うんです。その場をどれだけ楽しめているかということが味の感覚に影響しているのだろうと。もちろんこだわって選んでくださっているお肉そのものの美味しさもあると思うんですけどね(笑)。

-- 楽しい家族団らんの味、次の年末年始もまもなくやってきますね。
かわほり 
はい。気負わずにその時間や空間を楽しみにできるようになったのも、パートナーとそのご家族の理解あってのことです。そして私自身も苦手なことを自覚した上で焦らず年々そういう場を楽しめるようになれてきたので、次の年末年始にいただく「すき焼き」もきっと美味しさを更新してくれると楽しみにしています。

-- ぜひ美味しさの更新具合のお話、また聞かせてください。今度すき焼きを作る時には、わが家でもゴボウを入れてみようと思います。

イラスト/Miho Nagai

かわほり兎々(Toto Kawahori)さん
Atelier Kaninchen(アトリエ カニンヒェン)オーナー
『贈る人、贈られる人を笑顔にする』ためのギフト専用セレクトショップAtelier Kaninchen(アトリエ カニンヒェン)を2020年にオープン。
オンラインショップを通じて、今日をちょっといい日にする活動を行う。ドイツのビンテージガラスをアクセサリーに仕立てる作家でもある。
また、“依存しない・させない占い”をモットーに、タロットカードと西洋占星術で、年間300人以上の鑑定を手掛けており、実際の鑑定結果が手元に届くオーダーメイド鑑定書が人気を集めている。

公式サイト/ギフト専用セレクトショップ- Kaninchen -(カニンヒェン)/ヴィンテージアクセサリーと生活雑貨
YouTube/麦穂アンの今日をちょっといい日にするチャンネル


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