理由あって週イチ義母宅 PR

買い物はデパートで!

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理由あって週イチ義母宅に通っている。
これは、主にその週イチに起こる、今や時空を自由に行き来する義母とその家族の、
ちょっとしたホントの話だ。

とても寒い日だった。数日前に雪が降ったせいだった。
義母が大腿骨転子部骨折から見事な復活を遂げ、退院した日だ。
まだコロナがない頃、それでも病院はインフルエンザの流行に伴い、
親族以外の見舞いは禁止とされている時期だった。

骨折入院から車椅子生活になるお年寄りは少なくないが、
義母はシルバーカーですいすいと歩くようになった。
病院で、歩行器はありますか?と聞かれ、自前のシルバーカーの写真を撮って確認したところ、これで十分だと言われた。
とてもいいものだったらしい。
退院から丸3年経過した今も、現役で使用している。

元々脚を悪くしていたため、歩行補助に関するものは揃っていたのが幸いした。
そして、買い物はデパートで!という、ブランド志向も幸いしたのだ。

ブランド志向と言っても、働いてばかりいた義母は買い物をする楽しみを知らずに年を重ねたのだと思う。
プライドもあったから、どうせ買うならデパートで!だったのだろう。
選択肢がなかったともいえる。

いろいろなものが要り様になる場面で、「これは使えますね」「これはとてもいいものだわ、新たに買う必要はありませんよ」と言われることは、
気持ちの面で家族に負担をかけない。
何から何まで自分一人でやってきた義母らしかったのだ。

退院前には、家中を写真に撮り、ここに段差、ここに扉が……と報告書を作った。
整理収納アドバイザーならお手のものだろう。
私は出版社勤務時代に、ホールの設備を引き込み線を使って紹介するページを担当したことが何度もあったので、その時の経験が少しは役に立った。

いろいろ思い返すことは出来るけれど、
あの退院の日がやけに寒い日だったことが一番鮮明だ。

そうして、理由あって週イチ義母宅ライフは、4年目に突入する。