クリッセイ PR

浅草舞台表裏記_其の三_板踏みとお清め

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

私の母が出演した一世一代の晴れ舞台、浅草公会堂で開催された舞踊の会。
一日付き人として見た舞台の表と裏の話のきまぐれ短期連載をお届け中。

浅草公会堂の裏の楽屋口から入り、四畳の楽屋を3人で使う。
ちょっとつまめるようにお菓子の詰め合わせ箱を作って持っていくのは私の役目だった。
余らせても困るので、ビニールの小袋とビニールタイを持参した。
踊りの会ともなれば、楽屋にも挨拶に人が行き来するだろうから、お菓子が残りそうになったら、ちょちょっと詰めて渡せるだろうという算段だ。
これが功を奏した。
ラッピング好き、ちょっぴりプレゼント好きの癖はこういう時に役に立つ。

さて、楽屋入りしてしばらくすると、母は師匠とともに「板踏み」に行った。
板踏みとは、実際の舞台の板を試すことのようで、
板を踏んだ時の音の鳴りを聞いたり、せりや花道の具合を実際に見るためのようだ。
当日のリハーサルはないので、これはこれでとても大事。
ちなみに、今回の会では、歌舞伎のような花道も作られていた。
母が踊る演目は花道は使わないが、せりから出てくる予定だと聞いていた。

楽屋のモニターから、舞台の様子を見ることが出来る。
モニター越しに見ると、母は「ちっさいなぁ」という印象。

開演は11時。その15分前に、名取披露の出演者たちは舞台へと集合がかかった。
お清めをするという。
客席はすでに開場しており、お清めの儀式は幕の内側で行われた。

拍子木が打たれ、舞台上で拝礼した後、出演者たちにお神酒が配られた。
付き人である私は舞台袖からその様子を見ることができた。
お神酒を配ってくださる方の「おかわりはありませんよー」
安定の親父ギャグ!? も聞こえてきた。
さあ、いよいよ舞台の幕が開く。

母は、出番に向けて支度が始まる。
プロフェッショナルな人たちの仕事振りを間近に見られる機会がやってきた。
(つづく)

浅草舞台表裏記_其の二_芸者さんとともに日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。 母が出演した浅草公会堂での踊りの会の舞台表裏記の短期集中連載。第二回は、母の踊りとの出会いについて。意外なところからはじめていたらしい。...