日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
学生時代の友人との久々の再会ランチと庭園散策、その後、母校近くで花見を満喫した
雨上がりの肌寒い春の日の終わり。
千鳥ヶ淵の桜を曇り空の中、わいわい言いながら散策し、飯田橋までぶらりと向かうことにした。
この日の6人の会話のほとんどは、誰かが何か言う。
↓
それをよく覚えている人と記憶が曖昧な人と、すっかり抜け落ちている人がいる。
↓
まあ仕方がないかと笑う。
これの繰り返しだった。
駅までの道のりだってそうだった。
よく覚えているかと思えば、曖昧だったり、そもそもこんなところ通ったことあったっけ?もあれば、建物自体が変わっている、それはそうなのだ。
あれから何年が経過したというのか。
辺りは薄暗くなってきていた。
「さあ、どうする?ランチでデザートは食べたけど、その先、お茶も休憩もせずにここまで来たね。帰る? お茶する? それとも~?」
こんな風に切り出したら、満場一致で
「お腹すいたし、夕飯にしちゃってもいいよ」ということになった。
ここで選んだ店は、全品ほぼ統一価格でいただける居酒屋。あの焼き鳥がメインの……。
ビルの中にあるその店に、予約なしで飛び込んだ。
すると、6人だと狭めの席になってしまうと申し訳なさそうに言われ、
とりあえずご覧になりますか? と案内された。
まだ早めの時間だったが、店内は結構にぎわっていた。
しばらくすると、席を見に行っていた3人が戻ってくる。
「奥のテーブル席だけど、2名はベンチをくっつけて使う感じになるんだって! 見て来て」
3人が口々に言う。
「別にいいんじゃないかと思うんだけど、見て来て、一応……」
そんなところだけ皆、気にしたがりなところが面白い。
店員さんがあまりに恐縮がって言ったのもあっただろう。
結果、「いいんじゃない?」となり、私たちは奥のテーブルにツカツカと進んでいった。
昼間は椿〇荘のレストランで気取ってランチをし、
早めの夕飯はチェーンの居酒屋で、キュウキュウに詰めながら乾杯する。
この高低差がなんとも愉快で、ワハハと笑いながらジョッキやグラスを合わせた。
実はこのチェーン店、利用するのは初めてというメンバーもいて、
結局なんだって新鮮に楽しめるあの頃の気の置けない仲間がここにいる。
時代は巡って、話題は子どもたちの進学や就職の話、親の介護問題や、
永遠に止まらなくなる自分たちの健康話に花が咲く。
仕事の話はまあ、ちょこちょことだ。
そうしてあっと言う間に時間が経過した。
久しぶりすぎる集まりだということは各々の家族も承知のことで、
お子さんがいる人も皆、結構大きくなっているから
「お母さん、何時に帰ってくるの?」とひっきりなしにLINEが鳴るなんてこともない。
(いや、あった人もいた?)
お店側もいろいろな制限がなくなったタイミングなので、ダラダラと飲んだり食べたりしていても、追い出されることもなかった。
嬉しい、かしましい、そしてだいぶやかましい春の一日はこうして終わった。
実はここまでの記事を皆にシェアしたら、
「もうすっかり忘れかけてたから、改めて読んであの日を思い出した」
「ほんと、ホント」
みたいな返信が来た。
そのリアクションもやっぱりかしましくて面白い。
(終わり)