日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
前回、欲しいスニーカーの話をしたのだが、これはなにかのつながりかなと勝手にこじつけて、また地面からはじめよう。
写真は11月初旬にとある取材の合間に撮った、とある場所の足元だ。
落ち葉と緑のバランスがなんだか可愛くて、何の気なしに撮っただけなのだが、
スマートフォンの画像フォルダを見る度に、この写真をよく見ていた。
「クリッセイ」で使えないかなぁとか、インスタのサイズに切り取ったらバランス悪くなるかなぁなどと、見ては思い、思いは見ていた。
「足元を見よ!」ってことなのだろうか?
気になるといえば、少し詰まっていた仕事のちょっとした間で、ずっと気になっていたことに着手した。
それは、夏のゴーヤー栽培の際に使っている緑のネットのことだ。
ゴーヤーを栽培したことのある方ならわかるだろうが、ゴーヤはツルレイシ。ウリ科のツルレイシ属で、細かいツルをたくさんのばしながら育つ。
当然、ネットには、細かいツルがたくさん絡みつく。
シーズンが終わる度にこの絡みついたツルをはずしてネットを次のシーズンまでしまっていた。
しかし、コロナ禍でガーデニング需要が高まったといわれた頃から、
私は庭の手入れをすっかり怠り、ゴーヤーネットに絡みついたツルをはずさず、適当にしたまま次のシーズンにまたそれを使うというのをここ2年続けていたのだ。
怠慢は怠慢を連れてきて、いっそこのネットは捨ててしまおうか、いやそれは違う、
すぐにツルは延びてくるのだから、この細かいツルの残骸など気にする必要なし!
などと時に強気に思い込んだりもしていた。
でもずっとずっと引っ掛かってはいたのだ。細かいツルみたいに。
「こう見えて、細かい作業が好き。忙しい時に限ってモヤシのヒゲをとったりしちゃう」
なんて自己紹介プラスアルファで言ったりするときに、この2年は心の中で
(そんなこと言いながら、ゴーヤーネットのツルは絡んだまま放置しているけどね)などと自分ツッコミを入れていた。
そして先日ようやく、数年ぶりにこのゴーヤーの細かいツルをちこちこと外した。
120×200mくらいのサイズだから、結構根気がいる。しかも数年分。
今年は成りが悪かったのと、夏から時間が経過しているのでツルはカラカラに乾燥していたので、さほど取りにくいことはなかったのだが。
時短とか時産とか、とにかく忙しい暮らしの中でタイムパフォーマンスを気にして生活している方にとっては、このツルはずしの時間はかなり不毛に見えるかもしれない。
でも、外し終えて、きれいなただの緑のネットになったものを見て心が晴れた。
気になってはいるのに着手できない自分への失望だったのだと思う。
そして思う。来年、またゴーヤーの時季が来た時に、私は今以上に晴れやかな気分で
ネットを準備するだろう。
そうしたらゴーヤーの成りも来年はもっといいんじゃないかと思う(これは多分に気のせいだけれど)。
さあ、今年も3週間と少し。
足元を見て、何か気になることが一つでも晴れれば上等だ。