日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
5月にはじめて愛知県蒲郡市に降り立ち、竹島の八百富神社で人生初の御朱印帳を手に入れたのが前回。

翌朝、ホテルの部屋から見た目の前の竹島は、こんな感じ。
やっぱり昨日の夕方に行っておいて良かったね……となった。
朝食はバイキングで、いろいろなおかず、特にお土地柄のものをちょこっとずついただいた。写真を見た夫から「朝からすごいボリュームだね」と返信があり、ちょっとムッとしてスルーした。
今、見返したら確かに……汗。
干物をその場で焼きながら食べれたのが嬉しかったし、アサリがたくさん入った「蒲郡うどん」はB級グルメとして地元で人気だそうだ。
お腹いっぱいになったところで、部屋に戻り出発の準備。
本日の行き先は、豊川稲荷。
とても有名な場所だけれど、今回の旅がなければ一生訪れることはなかったかもしれない。
前日手に入れた御朱印帳がさっそく役に立つのが嬉しい。
蒲郡駅から豊橋駅を経由して豊川駅へ。乗り継ぎの時間に、荷物をロッカーに預け、お土産の見当をつけたりして、JR飯田線で豊川へ。
ローカル線にわくわくして、先輩につられて電車を撮ったりするのも旅先ならでは。
こうやって「旅ならではだなぁ」といちいち実感するのが好きみたいだ。
そうして駅から豊川稲荷に到着した。
「ここはお寺なんだよ」と教えてもらう。お稲荷さんって神社じゃないの? と思っていたが、ここの正式名称は妙嚴寺という曹洞宗のお寺さん。
こんな立派な鳥居もあるのだ。幅広く、長い参道。年越しにはここがたくさんの人で埋まるのだろうなぁ。
5月の平日ということもあり、この日の豊川稲荷は人気も少なく、ひたすらに天気は良かった。
祀られているのは、鎮守・豐川吒枳尼眞天(とよかわだきにしんてん)。
左右にお狐さまがいる。
現在放映中のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺〜」では、語りの綾瀬はるかさんが九郎助稲荷としてお狐さんになってるよな、などと思い出しつつ先へ進んだ。
隣の敷地へつづくと真新しい法堂があった。
「ご本尊が祀られているらしいけれど、まだ新しいからここは見なくてもいいかも?」とOさんからのアドバイスもあったが、特別拝観は5月末日まで。あと10日という貴重なタイミングだったことに加え、祀られているのが「千手観世音菩薩」と知り、「特別拝観したい!」と私がリクエストした。
子年の私は千手観世音菩薩に心動かされるのだ。
法堂内は撮影禁止だったので記録はないが、特別拝観は住職による法堂内の解説が丁寧&小気味よくて、とてもよかった。
1845年に再建された法堂が老朽化し、新しい法堂の建築が実現したそうで、中央に祀られていた総丈2.7mの千手観世音菩薩は、当たり前だけれどまだ新しくて艶々としていた。そして先代の本尊(観音様)は、胎内仏として祀られているのだという。
ほえーっ、なんだかありがたい。ありがたや、ありがたや……の気持ちになった。
そのほかにも欄間など以前の法堂の一部が新しい法堂内にも多数用いられていて、なんだろう、新しい=リセットではなく、継承することの大切をしみじみ感じることが出来た。
ここでは、ご本尊入佛記念なる浄聖殿の御朱印をいただくことが出来た。
「表からは神社、裏からは寺院の御朱印を記帳していくといいよ」とアドバイスをもらい、その寺院の一番目にここの御朱印を入れることにした。

ちなみに、特別拝観を終えて法堂を出る頃には、もう拝観受付を終了していた。
人生はすべてタイミング、なのである!(大袈裟か?)
ふたたび法堂の正面に来ると、先ほど住職が解説してくださった角塔婆(かくとうば)がある。私たちは特別拝観で観ることが出来たが、普段はお目にかかれない。
けれどこの角塔婆かには五色の糸による綱(善の綱)が巻かれていて、その綱は堂内の千手観音様の合掌した手とつながっているという。
だからこの綱が巻かれた角塔婆に触れれば、千手観音様とつながることが出来るのだそう。
その後は、順路通りに大黒堂やら狐塚をまわって、豊川稲荷詣出は終了。
さあ、帰りの時間も気にしつつ、なにかご当地感のあるものを食べたいよねということになり、いざ、参道付近のお店へ。

のんびりした平日はありがたい。しかし、それは客足の少ない日ということだ。
参道に賑わいはなかった。
聞けば豊川稲荷は、来年2026年に72年ぶりの御開帳を控えているそうで、それらに合わせるようにお店がリニューアル工事中だったりもするようだ。
さあ、どうする? 何を食べる? 朝、しっかり食べたからお腹がペコペコというわけではないよね、でも、お昼は食べたいよー。なんか失敗はしたくないよね……と3人が口々に意見する。
そうしてここはどうだろう?とイチかバチかで入ったお店が、駅前通りの「玉川うどん 豊川駅前店」。
冷やしきしめんをつるつるるーっといただいた。
稲荷ずしも、やっぱり一つくらいつまみたいよね。
店を出た後、茶店にも心惹かれる私たち。
少食で、稲荷ずし2個しか食べていないMさんも、甘いものならちょっと食べたいかも……と言ってくれたので、表参道の「いっぷく亭」で、いっぷくすることにした。
お目当ては、お店おすすめの「みたらしだんご」だ。
気のいいお店の方が、「うちのみたらしだんごは餡が特製で美味しいのよ」とプッシュしてくれた。
乗車予定の電車の時間を告げると、大急ぎで焼いてくれるという。
そうして出てきた「みたらしだんご」。5個も串に刺さってる。
特製で美味しいと猛プッシュいただいた餡は、どこまでもシンプルで王道のみたらしの餡だった。
これ、褒めてるよ。つまり、やけに甘ったるかったり、とろみが重すぎたりしない、
手作りのシンプルな味ってこと。
写真を見れば一目瞭然かな。
炭水化物の量、すごくない? というご意見はノーサンキュー。
だって旅先っていつもより多めに歩いたり、活動的だしさ、何しろ楽しいから消化がいいんだよね。
前日にもらったいい気と、この日もらったありがたい気に体と心が包まれて、短くも充実の愛知旅は終了。
次の旅先へは、御朱印帳を持参することになりそう。
(おわり)
帰りの新幹線では、この記事のインタビュー取材もできたのだ
