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アジの開きを衝動買い

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッ
セイ、つまりクリッセイ。

週イチ義母宅通いが始まってから、徐々に私の家事力はあがったように見えて、
自宅の家事クオリティーは下がっている自覚がある。
そもそも完璧を求めていなかったので、あまり影響はない気もするが、
実際、外食も増えたし、中食も増えたし、買い物の回数は減って、ご飯を炊く機会が減った。
記録しているわけではないので、どれくらい違いがあるかが測れないが、
自覚があるのだから間違いない。

一方、夫の家事力は明らかに上がっている。
義母宅(彼にとっては実家)でおかずを作ったり、買い出しをしたり、洗濯をしたり、
ほんとうに甲斐甲斐しくしていて、頭が下がるし、ねぎらいあっている。

そんな夫が、前夜、我が家の炊飯器に予約タイマーを入れていた。
聞けば「明日は朝食を作ろうと思って」とのこと。
アジの開きをスーパーで買ってきたというのだ。

これは、朝食をまともに作らない私への嫌味か? 宣戦布告か?
とどこまでも可愛げのない反応を示す私に
「違うよ、アジの開きを衝動買いしただけだよ」と夫。
その「アジの開きを衝動買い」という言葉のリズムがあまりにも気持ちよくて
一人感心していたら、
「しかも見切り品だよ」と付け足した。

「いやはや参りました」と再び頭を垂れるしかない私。
そして翌朝。「熱っ!とか、ご飯水少な目だったかも……」というつぶやきには過剰に反応せず、食卓に着いた。
私が作り置きしていたきんぴらごぼうを小鉢としてプラスしていたのも
なんだか嬉しかった。
立派な朝定食。私の胃袋は驚きつつ、喜びで膨れた。
アジの開きは身が厚く、食べでもあった。

「アジの開きを衝動買い」今日のタイトルはこれで決まりだねと言って、朝食を終えた。