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言い方ひとつで変わるのに

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

少し前、観劇後に中華街にある焼小籠包が有名なお店で観劇シェア会をした。
ビールで乾杯、小腹も満たそうということで入ったそのお店は、元町・中華街駅に近い、目抜き通りにある店舗だった。
1階では、ガラス越しに小籠包を高速で包む姿を見ることができ、食べ歩き用テイクアウトで店の前には行列が出来ていた。

その店の2階は、レストラン。
なにせ飲んで、食べる予定だったから、「ここにしよう!」と2階に上がりかけると、
店員さんが慌てて飛んできた。

「どうぞ、お二階へー!」と言われるのかと思ったら、
「二階はお食事していただかないとダメなんです」と言った。

「あ、はい、食事しますー」とご陽気に答えると、
「飲物と小籠包だけというのはダメなんです」と続けて言われた。
はて?小籠包の店で、小籠包がダメとは?
「ビールとかあるんですよね。私たち食事しますので」
「お食事しないと、ビールと小籠包だけというのはダメなんです」

いや、だから、小籠包も食べるけど、その他も食べるってば、私たちは。
メニューをめくりながら
「こういう一品料理とかも頼めばいいんですよね?それともコースしか扱ってないとかですか?」
「いや、コースじゃありません」

つまりは、2階はしっかり食事してお金を落として欲しいから、テイクアウトと変わらないワンドリンク、ワン小籠包では座らせませんよということらしい。

立地がいいだけに強気な発言。
いや違う、そういうお客が続いたことがあったのだろう。
コロナ禍で中華街も大きなダメージを受けているだろうし、気持ちはわかる。
でもさ、言い方よ。
「2階にご案内します。小籠包以外のお食事も1品以上ご注文いただくシステムですが、よろしいでしょうか?」
くらいにしておいてくれれば、
こちらは飲む気も食べる気も満々なのだから。
「二階はお食事していただかないとダメなんです」
とは、なんとも性悪説というか、言い方よ!
しかも、私たち、どこからどう見ても、飲むぞ、食べるぞ感出てたと思うわけで。
客商売なのだから、そこ、だいたいわかるよねーと思ったり。

時間帯的に、ディナーには早く、ランチには遅い、中途半端な時間だったこともあるけれど、だからか、店内は空いていた。
「これならむしろビールと小籠包だけでもいいからお客さん入れて、時間制にして回転率あげればいいのにね」
などと飲みながら余計なお世話をペラペラと。

言い方ひとつで印象は変わる。
客に迎合する必要はないが、おいしく食べて、気持ちよく店をあとにしたいものだ。
皮肉を言うなら、このお店、小籠包は美味しかったけど、
その他の一品料理はそれほどでもなかった。

皮肉よりおいしいひき肉の感想で終わらせたかったのにな。