日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
お気に入りの三省堂国語辞典 第八版によれば、
「エモい」とは…
心がゆさぶられる感じだ。由来/ロックの一種[←エモーショナルハードコア]の曲調から、2010年代後半に一般に広まった俗語。
古語の「あはれなり」の意味に似ている
とある。
なんと親切な解説だろう。
というのも、最近「エモい」とはこういうことか……と思うことがよくあるのだ。
まさに「あはれなり」という感じ。
昔、フジテレビ系列で「クイズ!年の差なんて」という番組があった。
年配チームには、イマドキ(当時)の若者の流行り言葉や、流行アイテムをクイズに、
若者チームには、昔流行った曲やアイテム、言葉をクイズにしていた。
どちら側で見ても「えー、そんなの知らないの!?」で盛り上がる。
当時、その番組を見ながら、「若者チーム、年配チーム、どちらの答えもわかるもんねー」と大した自慢にならないのに、自慢に思いながら見ていたことをふと思い出す。
調べると1988年から1994年に放送されていたようで、
完全なる若者チーム側でおかしくないはずなのに、ナぜなのだろう?
形は違えど、現在も例えば「1周回って知らない話」(日本テレビ系)という番組があって、どちら側で見ても「えー、知らなーい」「えー、そんなの知らないの!?」で盛り上がる。
で、「エモい」である。
若い人(この言い方にもう抵抗できる術がない)がせっせと使っていて、
まんまと影響を受けて使いたくなった。
でも、私が使う「エモい」が、軽く20年以上前のことを指すことが多いことに気づき、
それは「エモい」とかなんとかじゃなくてもう懐古なのかも。
なんだか言葉、作れそうな気さえしてきたぞ。
それにしても20数年前にテレビで見ていた人同士が共演したりとか、聞いていた歌を歌ってくれたりするのは、本当に「あはれなり」だった。
なぜそう思えるかと言えば、「あの頃はよかった」ではなく、
「あの頃もよかったよなぁ」と感じられるからなのだと思う。
懐古にとどまらないで、「あの頃もよかったよね」と、「も」を大事にできる日々が
これから「も」つづくといいなぁ。