日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
実母との地元ランチ。きっかけは9月に大きな踊りの発表会を終えて以降、あまり踊りに気持ちが入らないなど、ちょっとクサクサしていると聞いたので気晴らしに誘ったものだった。
ランチは互いの夫とは入ることがない店をチョイスするというのもポイントで、
お好み焼きを予定していた。
特に噂の美味しいお好み焼きやさんというわけではなく、いわゆるチェーン店。
それでも普段チョイスされない店に行けるのはいいよねというのが二人の見解だった。
結果から言うと、デパートのレストラン街に入っていたそのお好み焼き屋さんは、
撤退していた……。
コロナ禍で、シェアがメインの料理を扱う飲食店は相当な逆風を受けているだろう。
すっかりお好み焼き腹で出かけたので、なんとなくショック。
そうは言っても母にとっては外食自体が非日常なので、すぐに切り替えて別の店へ入店した。
他愛ない話をして、買い物に付き合い、お茶して解散までの数時間。
そういえばと、母に事後報告をした。
これのことだ。
「あのさ、事後報告で悪いんだけど、お母さんのこと書かせてもらったんだよねー」
こう切り出して、シチューのCMに出る俳優さん、ビールのCMに出る女優さんに対して、
母が思い込みが激しいという例のエピソードをまとめた。
母はネタにされたことに対してはさほど気にしていないようだ。
というより、どう掲載されているかの全容はわからないし、イメージがつかめていないのだろう。
でも、実は書いたものを母のことも知っている学生時代の友人に読んでもらったりもしたので、その感想を伝えた。
「栗ちゃんのお母さん、おもしろーい! って言われたよ」と言うと、なぜか満更でもなさそう。
「CMをそこまで集中して見てないわ。ある意味すごい集中力だね、とも言われたよ」と言うと、褒められた感じがしたようで、かなり笑っていた。
リアクションというのはとても貴重で、それを伝えるとか伝えないというのは、まあさじ加減なのだけれど、
思ったことを形にして、それを書く、読んでくれる人がいる、感想をつぶやいてくれる人がいる、それを伝える、共有するというのは、小さなサークルであっても意味があるよなと感じている。
何も言わなくても通じる関係というのもあるだろう。でもそれは稀にである。
わざわざ伝えなくてもいいこともあるだろう。でもあえて伝えるのもいいもんだ。
こんな気持ちで話をしていたら、それこそタイムカプセルみたいに本人も忘れていた話が今日も掘り返されてきた。
また事後報告で伝えたくなるクリッセイネタを仕入れて、母との気晴らしタイムを終えた。