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いっぱいのミモザしっぱい

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

ミモザの花がショップにもSNSにもあふれた。
この花がこんなにフィーチャーされるようになったのって、割と最近のような気がする。

義母宅のお隣さんのお庭のミモザがそれはそれは毎年キレイに咲くので、
ある年、衝動に駆られて苗を購入した。しかもネットで。

小さな苗が届き、説明書きを読むのもそこそこに、庭に植えた。

それから数年が経過した。
思っていたように花が咲かず、枝葉ばかりがヒューヒュー伸びる。
少し調べただけで、ミモザには実にいろいろな種類があり、
植栽時や剪定時に気をつけるべきことがあることがわかった。
そのほとんど全てを実行できていなかったことも。

庭の手入れを怠る暮らしが最近ずっと続いていて、ワイルドに好き勝手に伸びるミモザを
やや目の敵にもしていた。
「よく知りもせず、調べもせずに植えた私が悪かったよ」みたいな投げやりな気持ちにもなり、
「いっそのこと切り倒してしまおうか」
と、童話の中の悪役みたいな言葉が口をついて出て来た。

完全に終わっている。グリーンハンドなどと言われて自慢気にしていた自分が恥ずかしい。

朝、窓を開けるたびに、なんとなく「あーあ」という気分になりつつ、何もしていないのだが
そのワイルドミモザに黄色い花がちらほら見えた。
木のサイズ、年数からしたらまったく物足りないのだけれど、それでもちらほら咲く黄色い花たちは、可憐だ。

カットしては瓶に飾り「まあ、今年はこれでよし」とうなずいている。
いっぱいのミモザにはしっぱいしているけど、
そのしょっぱい経験は、きっと役に立つよと思いながら。