日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
学生時代の友人とランチから庭園散策まで盛り上がった肌寒い春の日。
時刻は3時半を回っていたくらいだろうか。
さあ、どうする? もう少しどこかお花見が出来るところに出向こうか?
都内の桜の見所、庭園なんか検索してみる。
ここから何分? 閉園時間があるってよ!
雨は上がったことを確認しながら、なんとなく適当に候補を出していく。
そしてベタに千鳥ヶ淵に行くことになった。
桜の名所で千鳥ヶ淵とは、ベタ中のベタじゃないかと思うだろう。
でも理由はある。
そこは私たちが通っていた大学のすぐ近くだったからだ。
地下鉄を乗り継ぎ、九段下へと出た。
私は渋谷などに出る時の経由地としてしょっちゅう使っている駅なのだが、
実に久しぶりというメンバーも多かった。
駅は改札の位置が変わったり、出口が移動したりしているのだが、そうしたプチ情報に関して話しても
「そうだっけ?」「覚えてない」の反応のほうが多い。
これが時間経過というやつだ。
桜の時期の千鳥ヶ淵は、一言でいうならヤバイ。
混雑はすごく、一方通行になったり、千鳥ヶ淵の入口までがのろのろ歩きになったりする。
しかしこの日は朝から天気が悪く、寒かったので、その大混雑に出くわすことはなかった。
マンモス大学の卒業式が日本武道館で開かれたようで、その式典からの帰りみたいな
スーツや袴姿の若者がちらほらと見えた。
学生時代、千鳥ヶ淵で桜を毎年堪能していたかというと、案外そうでもない。
桜の開花時期は春休みの真っ只中ということが多いためだ。
休みの時に用事もないのに校舎に行ったりはしないし、
学生の頃はアルバイトばかりしていた気がするからなおさらだ。
左側通行で千鳥ヶ淵の散策路を6人でやいのやいの言いながら歩いた。
時折、例の自撮り棒を構えながら、ベストな背景を探りつつだ。
桜の時期はお濠がボートで埋め尽くされるものだが、この日は悪天候のためボート乗り場は閉鎖していたようだ。
おかけで純粋にお濠と桜を眺めることができた。
青空じゃないのはかなり残念だけれど、美しい桜と景色を見ること、写真に収めること以上に、私たちは数年ぶりの再会・集合の時をこんな風に過ごせることがハッピーだと気づいている。
散策はショートバージョンにして、帰りは飯田橋に向かうことにした。
え、まだつづく?