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和らぎ水がくれた思い

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

「和らぎ水」という言葉を教えてくれたのは、能登の方だった。
正確には奥能登 珠洲の塩のドキュメンタリー映画「ひとにぎりの塩」の広報をお手伝いさせていただいていた時期のことで、監督からだったか、プロデューサーだったか、現地の方からだったか記憶してはいないのだが。

それより少し前に友人と行ったイタリアでも、現地の方から「ワインを飲むときは、ワインと同じかそれ以上の水またはガス入りの水を飲みなさい」と教えられたことがあった。
それがお酒を美味しく飲み、後にも残さないための秘策というか、流儀のようなものであることを知れて、その時も十分大人だったはずなのに、大人になれた気がした。

先日、とある会食で日本酒をいただくことになった場で、「和らぎ水」のことを話題にした。
その言葉を初めて聞いたという方が、いい言葉を教えてもらえたと優しく言い、メモまでとってくださったので、言葉との出会いを振り返り、能登との出会いに改めて感謝した。

やわら・ぐ【和らぐ】
①やわらかになる。 ②[波・風などが]しずまる ③おだやかになる
(三省堂国語辞典 第8版より)

今、能登を思い、一番願うことだ。
その手前にそんな甘いことは言っていられないという現実はあることも理解した上で、想像した上で、「和らぐ」を願おう。

「能登はやさしや土までも」というのも、同じ頃教えていただいた。
実際に能登の方とふれあい、能登の地を訪れれば、その意味がわかったし、実感した。

言葉を知ることで、言葉を口にすることで、記憶は色濃くなるし、思いは何度だって強くできる。
「和らぎ水」のほどよい温度とやさしい口あたりが思いをくれた。

※写真は2016年5月の能登の海