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あぁ、悠久。京都ですもの①

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

京都での取材を終え、せっかくだから少しだけ寺社を見てから帰ることにした。
訪れたのは平安神宮。
そう、どれだけミーハーと言われても仕方がないが、完全に大河ドラマ「光る君へ」の影響だ。
大河ドラマといえば、本編と次回予告の後に、ゆかりの地を案内する1分半の紀行のコーナーがある。今シーズンは「光る君へ紀行」(そのままなのね)。
第1回放送時の「光る君へ紀行」で取り上げられたのが平安神宮だった。

平安神宮まで徒歩で行ける距離だったので、鴨川沿いを少しだけ歩いて、大鳥居はくぐらずに、応天門から入場した。
青空に映える朱塗りの境内。週末にはかなりの人手だろうが、
この日、この時間帯は団体客ともぶつからずとてもすいていたので、
清々しい気持ちで中央から大極殿を眺め、内に近づいた。

このままさらっと引き返そうかとも思ったが、あまりにも静かでのんびりとしていたので、
私の「せっかくだから」モードが発令された。
そもそも今回は、あちこち京都市内を回る予定もなかったからだ。

そうして同じ敷地内に社殿を取り囲むように作られている庭、名勝 平安神宮神苑に足を踏み入れた。
総面積約33,000㎡(約10,000坪)の広大な池泉回遊式庭園とある。
はっきり言おう、春夏秋冬、さまざまな見ごろがあるようだが、この季節は何も咲いていない。
雪化粧をすればまた別の風情を感じられるようだが、そもそも雪だったら根性なしの私はきっと入園していない。

誰もいない南神苑からはじまる。
その季節になれば入口から見事な紅しだれ桜が咲き誇るらしい。
この日は寒そうな枝を見るばかりだった。

この南神苑の特に『平安の苑』には、平安時代に書かれた伊勢物語・源氏物語・古今和歌集・竹取物語・枕草子に出てくる200種以上の植物が植栽されているというのだ。
植えられた植物の足元に物語の一節が書かれたプレートが設置されていた。
もう『光る君へ』だし、『らんまん』な感じ。
どこまでもミーハードラマモードだが、私はここで秘かに一人ラリーをはじめた。
源氏物語のプレート&植物だけをチェックして片っ端から写真に撮ることにしたのだ。

例えばこれ
中世女流文学を専攻していたくせに、一節を読んでも「ああ、あの場面ね」とはならないのがお恥ずかしいが、
歌の中に出てくる植物を愛でるって、平安の世と今世のつながりを感じられるような気がして、それだけで「あぁ、悠久」

そんなわけで順路が二又になる場所は、戻って「源氏物語」のプレートがないか確認しながら、南神苑を歩いたのだった。
何度も言うが、この時季は何も色づいていないし、何も咲いてはいないけれど。

そんな一人「源氏物語植栽ラリー」を終えて、西苑に向かうと、そこで私は縁起のいいアレに出会うことになる。
(つづく)

あぁ、悠久。京都ですもの②-龍を昇った日日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。 京都取材の帰りに寄り道したベタだけど平安神宮を満喫したという話。...