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いつもとは違う場所で

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

超アクティブライターというわけではないが、なんだかんだとさまざまな場所に取材に行かせていただいてきた。
それでもまだまだ降り立ったことのない地は多く、「〇〇駅って初めて降りました」
と取材先の方に話すことはよくある。

目的地までのルートは、すっかりスマホ頼みになってしまっている。
駅からの距離は時間も事前に確認して、余裕を持って。
しかし、高低差までは確認できていないので、高台だったりすると焦るわ、息があがるわ、となる。

それでもなんでも、この機会がなければこの先も降り立つことがなかったかもしれない場所で、駅からの距離も実感しながら歩くのはいい体験だ。

「通いなれた通学路でも、いつもとは違う道を行くことで、新しい発見があるかもしれない」と勧めてくれたのは、高校時代の校長先生だった。
朝礼で、「皆さんはいつも同じ時間の同じ電車で、乗る車輌も毎日同じという人が多いでしょう。でもたまにはあえて違う場所に乗って、違うルートを通ってみてください」
というようなことを話してくれたのだ。

校長先生の言葉を覚えているなんて後にも先にもこれだけなのだが、
10代の頃に聞いたことをこんなに時間がたっても覚えているのだから
それは私に刺さるアドバイスだったのだと思う。

だからというわけではないが、せっかく初めて降りた駅なのだからと、
取材終わりに駅からすぐの有名な不動尊に立ち寄った。
滞在はほんのわずかな時間だったけれど、「まあいいか」にせず「せっかくだから」を選択出来たことに妙に満足した。

次はどこに行くだろう。
初めての場所でも、久しぶりの場所でもいい。
そこでも「せっかく来たのだから」と思えたらいいなと思う。