理由あって週イチ義母宅に通っている。
これは、主にその週イチに起こる、今や時空を自由に行き来する義母とその家族の、
ちょっとしたホントの話だ。
私が意識するよりも「ひなまつり」はイベントなのだなぁ。先日行った国民宿舎サンライズ九十九里のロビーには、立派なひな人形が飾ってあった。
3組のお内裏様とお雛様、3人官女に五人囃子。
なんとなく、ブライダルシーズンの結婚式場みたいな賑わいだ。
九十九里町から海岸沿いをおよそ50㎞南下すると勝浦市がある。
勝浦はビッグひなまつりが有名だ。
私は行ったことはないが、詳しくは勝浦市観光協会のサイトにて。
その流れなのかはわからないが、とにかく立派なひな壇だった。
ロビーの個別チェックインカウンターのデスクにも一組ずつディスプレイされているのが
ちょっと面白かった。
この時の義母といえば、ロビーのワイドなひな壇を見てもロックオンされることはなかった。
娘のいない義母宅には、ひな人形もひなまつりもなかったそうだ。(夫談)
さて、おやつである。
カレンダーを指さしながら、「これからおやつにするけどね、今日は何の日?」と問いかける。
手元に今日の新聞があるから、それを見るようにナビゲートするが、なかなかたどり着かない。
おやつに関係あるからと、ほどよくしつこく「今日は何の日?」を繰り返した。
もちろんヒントを出しながら。
3月3日と答えると、今度は「3月3日は何の日?」と再び問いかける。
質問の意図がわからないようで、なかなか答えが返ってこない。
それでもほどよくしつこく「3月3日は何の日?」を繰り返す。
すると義母は行った。
「いい日!」
なるほど、そうきたか。
義母は今までもずっとそうだったが、「わからない」を口にしない。
「忘れちゃった」のワードが出ることも最近は特にない。
粘ったすえの「いい日!」という答えはある意味正解なので、
その後、私は歌のヒントを出して、最終的に「節句」「ひなまつり」というワードを義母から引き出すことに成功した。
今年から「ひなまつり」は、いい日ってことにすればよさそうだ。
あっという間に道明寺を平らげた義母を見ながら、そんな風に思った。
1日を終え、比較的平和に過ぎたことを思えば、うん、「ひなまつり」はいい日だ。