理由あって週イチ義母宅 PR

義母の家族のフォトブック

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理由あって週イチ義母宅に通っている。
これは、主にその週イチに起こる、今や時空を自由に行き来する義母とその家族の、
ちょっとしたホントの話だ。

夫が実家でデータ化して持ち帰ってきた画像で急いで作った。
それは義母のためのフォトブックである。義母の子どもたち、つまり夫を含む兄弟たちの赤ん坊の頃から、成長の記録を各6~8枚くらい。
それをフォトブック作成メーカーでオーダーし、A5サイズの24ページのブックにした。
タイトルはわかりやすく「義母の名  家族の写真」とした。
サブタイトルに、息子たちの名前をふりがなをつけて記した。

フォトブック作成(オーダー)は何度か経験があったので、サクサク作れる。
いや、そもそも私の仕事は編集&ライターだ。
モジモジしていた夫からひょいっとそのアイデアを取り上げ、
「そんなの早く言ってよー、こちとらねぇ……」ってなテンションだった。

夫が私に転送してきたデータとアイデアの中には私の写真を入れる案はなかった。
「ふーん、私の存在は1枚もないのね。まあね、家族じゃないしね。え、家族じゃないんだっけ?」
軽く拗ねてみたら、夫は慌てて私の写真も入れたい、入れてくださいという。
そんなわけで、義母と義兄夫婦とともに写っている結婚式の時の写真を1枚滑り込ませた。

出来上がったフォトブックを義母宅に持参し、名前を書いたシールを各ページに貼っていく。
その名前を読み上げて、時折目を細めたり、「これは誰?」と聞いたりする。
夫の中高生時代の写真などは、今、目の前にいる息子とはあまり結びつかないようでもあったが、わかるわからないではなく、タイトルの通り、家族の写真として一冊に出来たのだ。

最後のページは、90歳になったときに着用した紫のちゃんちゃんこと頭巾姿の義母の写真にした。
でもそれに関しては100%に近い確率で自分だとは思わないようだ。

何回だってページをめくってほしい。
何回だってシールに書かれた名前を読み上げて欲しい。
何回だってあの頃を鮮明に思い出して欲しい。
もちろん、そんなもの知らないよと放っておいてくれてもいい。
ピンク色の表紙の世界で一つのフォトブックは、青いボストンバッグの隅にそっと入れられている。