理由あって週イチ義母宅 PR

関所猫

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理由あって週イチ義母宅に通っている。
これは、主にその週イチに起こる、今や時空を自由に行き来する義母とその家族の、
ちょっとしたホントの話だ。

義母宅付近には、結構、猫がいる。
ご近所さんで飼っている猫なのかもしれない。
義母宅近隣は、高齢者ばかりだ。

息子や娘は皆、独立して滅多に顔を見せることがないお宅もあるようで、
つまり自分達でなんとかしていかねばという感覚なのだろう。

高齢者ばかりだから助かっていることもある。皆、お互い様感があって、
例えば、義母がふらふらと外に出ようとしているところを見つけたら、
義母が通う施設に連絡を入れてくれたりもする。

コロナ禍もあるが、こう暑いと、日中外に出ている人などほとんどいないから、
私が行ってもあまりご近所さんと顔を合わすことはない。
それがちょうどよいと感じることもあるし、何か助けていただいた時には、
都度、息子が菓子折りを持って挨拶に行っている……そんな具合だ。
干渉したり、されすぎてもトラブルの元だ。
実際、全くトラブルがなかったといえば、そうでもないという過去もあり、
今はただただ穏やかに、どうやら週に2日は息子と嫁らしき人が来ているみたい……
くらいの情報は広まっているだろう。もう4年半にもなるのだから。

そんな人気の少ない義母宅周辺で目が合うといえば、
猫である。
カメラを向けたら、シャーッと行ってしまうかと思っていたが、
ある日の猫は、微動だにしなかった。
「あんたは週イチ来てるだけでしょ。こちとら、ここを根城にしてんのさ」


ある日の猫も、じっとこっちを見ている。
「可愛い~~っ」みたいな高い可愛い声を出さない私を睨んでいるみたいだ。
もしかしたら私もちょっと睨んでいたのかもしれない。

「そっちは生まれも育ちもここら辺だろうけど、私は新参者よ、悪い?」
「は?」
「はぁ?」
みたいな猫との睨み合いがしばし続いて、
互いに興味などないわ、フンッとばかりにすれ違った。

この2匹は違う日に撮影したものだが、1枚目は行きに、2枚目は帰りに見かけた猫だった。
関所猫と私との間みたいに、
この距離感が私が通っていられる理由なのかもしれない。