自分らしさ、暮らしやすさを提案するらしく・おうちと整理研究所 主宰の柳澤とも子が、夫婦で手塩にかけて作る庭と植物についてつづるガーデンフォトエッセイ。
私たちの庭には色々なバラを植えており、季節の移り変わりと共に美しさを見せてくれます。特に5月前半ぐらいが花の見ごろです。
バラは枝をバッサリ切ってもどんどん枝が生えてくる生命力の強さがある一方、病気にかかりやすい種類の物もあって一筋縄ではいきません。
今回はバラを育ててみて感じたことをいくつかご紹介しますね。
地植えのメリット
我が家のバラはほとんどが鉢植えからスタートしました。
しかし鉢植えのバラはあまり生長することなく、枯れる寸前のものがいくつもありました。その原因は、このエッセイでも以前に触れたコガネムシの幼虫の仕業です。
なぜか我が家の庭はコガネムシが大量発生していて、駆除するために夫が奮闘していました。それでもほとんどのバラの鉢植えの中にコガネムシの幼虫が大量発生して、根を食べてしまうのです。
ただ庭の木や植物達を観察していると、コガネムシがいても、地植えしているものは比較的元気でしたので、バラも地植えに移しました。
その後の生長たるや驚きです。30cmにも満たなく、枯れる寸前で4年ほど過ごしていたバラを地植えすると、文字通りすくすくと育っていきました。2年後には2m近くになり、真紅の花が満開になりました。長く伸びるつるバラはパーゴラを覆い始めています。どんどん伸びてくるので毎年とても楽しみです。
大地のエネルギーを目で確認できる有意義な経験です。
バラの花を豊かに咲かせるコツ
バラには春だけに咲くものや繰り返し咲くものがあります。繰り返し咲くバラは春夏秋と花が楽しめます。
豊かにバラの花を咲かせるためには、適切な剪定が必要不可欠です。
最初は春に咲かせるままに満開にしていたのですが、そうすると、夏には花がつきにくくなっていました。バラは花を咲かせることに大変なエネルギーを使うそうで、春に全力疾走させないように、つぼみや花の剪定が必要でした。実際に剪定を行うと、夏の花付きも変わりました。
改めて考えてみると、剪定は整理のようです。夏に花を咲かせるために過剰な春の花を剪定することで、夏も花が楽しめます。ある目的のために、モノを整理(必要・不必要の区別)することで、生活を豊かにする整理の理論と同じですね。
区別することで夏が楽しめます。
区別し、不要となった花自体は決して邪魔なモノではありません。捨てずに活用してあげたらいいだけです。
バラの花の活用法
さて剪定によって、大量のバラの花やつぼみが切り落とされることになります。
我が家では、花を切ったら捨てずに集めています。枝ごとそのまま花瓶に活けて室内を彩るのはもちろん、ドライフラワーとしても楽しんでいます。
特に香りの強い品種をたくさん集めると、市販のアロマとは違った天然の香りと、鮮やかな花の色が楽しめます。
我が家では香りの強い花びらを拾い集め、塩、ナツメグ、クローブと漬け込んで発酵させるバラの花びらポプリを作っています。発酵することでスパイスとブレンドされた香りが何年も楽しめるようになるのでお勧めです。
バラの花びら一枚一枚は、私にとって宝物で、花を集める時間は至福のひと時です。
美しいバラは見る以外にも、ハーブと同様にちょっとしたアイディアで私たちの生活をより豊かに彩ってくれます。
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