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Vol.9『十人十色』

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来月、母方の親戚が集まることになっている。
参加者は国内はもとより、海外からもあり、20名規模になる。

フルタイムで働くいとこと私の二人が幹事を任されているのだけど…(なぜ、毎回忙しい私たちが幹事をやっているのか謎…次は別の人にやってもらおう)すでに息切れ。
数年前の時も今回も、数名の話から、それは誰がどうするのだ?!ということが起こり、その都度『幹事LINE』で相談し、それぞれのところへ電話で連絡し、話がまとまるようにする幹事二人……という状況だ。
数日前に、ようやくまとまってきて、あとはイベントを待つのみという状態になったので少しは落ち着いてきた。だが、当日までは気が抜けない……どうか無事に終わりますように。

多くの人が集まる場をまとめる度に思うことは、価値観の違い。
本当に価値観は様々だ、自分の『普通』が怪しくなるほど。
仕事でも多くの家庭に行くことが多いので、その多様さはわかっているつもりではいるけれど、改めて考え方やその家庭の状況を聞くと自分の家庭との違いを見せつけられる。

先日、夫の方も7~8年ぶりにいとこ同士であつまり食事しつつ近況報告をしあったそうだ。
夫婦関係しかり、親や子どもとの関係しかり、それぞれ違いがあり、夫は「夫婦で旅行に行く」と言ったらえらく驚かれたらしい。
私の周りには夫婦で旅行に行くことを当たり前にしている人達が多いので、そういう夫婦が大多数かと思っていたらどうも違う。そうだった、私の両親も夫婦だけで旅行には行きたがらない側だ。
『夫婦で旅行に行く=夫婦仲が良い』と見られるのは、そういうことかと納得。

家庭のこと、夫婦のことは表からはわからないと言われる通り。
10の家庭があればそれぞれ、10の夫婦が居ればそれぞれの関係がある。
『普通』なんて言うのは、今まで自分が経験したこと、見聞きしてきた中でのことでしかないわけで、曖昧なものでしかない。

でも曖昧な『普通』と認識した上で、よそとの違いを知ることは、自分の家庭や夫婦の良さを見直すきっかけになる。特段、夫婦仲良くしていると思っていない私だけれど、夫婦で旅行に行ける関係というのは、日頃一緒に過ごす時間が少なくても良い関係なんだということ、子どもたちが新生活にも対応して楽しく過ごしていること、休日の夜に親子で団らんすること、どれも幸せな時間ということに気づける。

『十人十色』
ものの見方・捉え方・考え方・好み・価値観・個性などは人によってそれぞれ異なる、という意味の語。人が10人いれば10通りの趣があるということ。

違いはあって当然。そう思うことで違いを認めあえ、気持ちは楽になる。そして人それぞれ、家庭それぞれの違いを知ることは自分を知ることにもつながっていく。
違いを楽しむゆとりとともに、十人十色の言葉をかみしめる。

書・文・松杏
子供の頃から文字を書くのが好き。小学生で習っていた書道を40歳過ぎて再開。文字の美しさ、墨の表現力に魅了されている。
書と整理収納の共通点は余白とバランス。