ドラマの中には暮らしや整理収納のヒントがあふれている。
あのテレビドラマのシーンから整理収納のプロが分析・解説する!?
ちょっとニッチなドラマレビュー。
小さなころからテレビドラマが大好きです。
妄想癖がある私は画面を見ながら自由自在に思いを巡らせていました。
整理収納アドバイザーになってからは
そのシーンや内容は「整理収納」とリンクしても楽しめるようになりました。
毎回一つのドラマと整理収納をリンクして語ります。
今回私が撮り上げるドラマは、2回目となりますが、福原遥さん主演の「舞いあがれ!」です。
今期の朝ドラ「舞いあがれ!」は主人公 舞の成長記。
前回はまだ物語の前半で、舞の「それから」は私も予想していなかった方向へ大きく変わっていきました。
パイロットになる夢を叶えた舞は突然の父親の死、雇用延期など困難に翻弄されながらも自分の道を模索して来ました。
最初は「パイロットを辞めるなんてもったいない!」と思いましたが、
今となっては一視聴者の私でさえも「舞ちゃんが決めたことなら応援するわ」
と言ってしまうような力強さが彼女にはあります。
工場をお母ちゃんや社員と立て直し、充実した日々を送る舞。
長く陰ながら舞を見守り、応援してきた幼馴染の貴司と結ばれます。
そして、結婚後、新居にしたのは舞の実家の 2 階。
舞と貴司はそれぞれの仕事に励み、家事もできる方が担当して協力しながら生活しているようです。
2階の間取りは具体的には出ていなかったと思いますが、
もともとは舞ちゃんと兄 悠人の部屋がありました。(他にも 1 部屋あったようです)廊下も含めて一つの空間にしたようで、2 人で暮らすには十分な広さです。(こんなに広かった?と思うほど)
おそらく、食事とお風呂は1階でお母ちゃんと一緒のようです。
2階の家具は、小さなダイニングテーブル(2人用?)、ソファーと貴司のロッキングチェアがあります。あとは壁面収納や窓前にモノを置けるスペースがあり、写真を飾ったり、プリンターやパソコンなどがちょうどよくオープン収納(出しておく収納)されています。
実は舞と貴司の部屋は、空間を広く有効利用するための理にかなった家具選びや収納の使い
方をしているんです。
まずダイニングテーブルが小さいのは「二人にはジャストサイズ」だということです。
もともと舞はよく「デラシネ」のちゃぶ台で貴司やデラシネに遊びに来る子供たちと向き合い、時におしゃべりをしながらパソコンで仕事をしていました。
新居でもその距離感をそのままに、小さめのダイニングテーブルにしたと考えられます。
もともと食事をするためのテーブルではないので小さいモノを選んだのでしょう。
ダイニングテーブルというと 4 人掛けを用意しがちですが、用途を考え、必要な大きさのモノを選んでいると言えます。
テーブルのすぐそばには「お茶セット」のコーナーがあり、仕事をしながら、またはソファーでくつろぎながらお茶をすぐに飲めるような動線の工夫がされています。
確か五島のばんばの家でもお茶セットがダイニングのすぐ近くにありましたね。
モノは使う場所の近くに収納するのが鉄則ですからとても効率が良い場所です。
壁面収納や窓辺のスペースも大きく部屋に張り出していないのと床から浮いているので、見
た目の圧迫感がなく、とても部屋がゆったりと見えるようになっています。
また、壁面収納は高さの調節が自由なので、将来的にフレキシブルに対応可能ですし、飾りたいモノとスペースのバランスもとても良いと思います。
グリーンや、好きなものも飾っているけれどスッキリと見えるのは、この空間使いの工夫に寄るところが大きいと思います。
「舞いあがれ!」の登場人物はとてもよく会話をしますが、その向き合い方がとても素敵だなと思っています。
それは必ず、やりかけの仕事からいったん手を止めて向き合うところです。
どんなに忙しくても、きちんと向き合って、または時間を取って相手の話を聞きます。
その行動は、相手を知ろう、理解しようという心構えの現れで、話す側もちゃんと話そうという気持ちになります。
実はそんな行動はモノとの向き合い方にも現れると思っています。
おそらく「何かをやりかけでそのまま放っておく」ということをしないのでは?
と思うからです。
使ったら元に戻す。汚れたら手入れをする。なくなったら必要な分だけ買い足す。
それらはモノとしっかり向き合っていればできることばかりですが、忙しい毎日ではなおざりになりがちなことです。
そしてその行動は同時に部屋をきれいに保つことにもつながっています。
その小さな積み重ねが、人と同じようにモノも大切にする第一歩になるような気がして、
私も「舞いあがれ!」の皆さんのように手を止め、目を合わせて話をすることから始めたいなと思います。(え?アドバイザーのくせに今から?と言わないでくださいね!)
「舞いあがれ!」も残すところ 1 か月を切りました。
舞の新たな取り組みをわくわくしながら見守りたいと思います。