ドラマの中には暮らしや整理収納のヒントがあふれている。
あのテレビドラマのシーンから整理収納のプロが分析・解説する!?
ちょっとニッチなドラマレビュー。
小さなころからテレビドラマが大好きです。
妄想癖がある私は画面を見ながら自由自在に思いを巡らせていました。
整理収納アドバイザーになってからは
そのシーンや内容は「整理収納」とリンクしても楽しめるようになりました。
今回私が取り上げるドラマは、観月ありささん主演の「週末旅の極意~夫婦ってそんな簡単じゃないもの~」です。
夫婦そろって仕事人間の矢吹真澄 (観月ありさ)と矢吹仁(吉沢悠)。
二人はこの 10 年間それぞれの仕事を全力で頑張ってきて順調に出世もしています。
平日はお互いに仕事に全力投球するため、起床時間もバラバラで夕食も各自で済ませ、休日
も同僚の家族の用事に代わって出勤をしたり、接待ゴルフがあったりとなかなか一緒に過ごせていない様子です。
そんな日々の中、真澄はふと思います。
「二人は同じ空間に暮らしているけれど、普段はほとんど顔を合わせる時間もない。そんな私たちを夫婦たらしめているモノは何だろう。たまには一番近くにいる夫という他人と向き合ってみよう。」
そんなことがきっかけで、仁に週末旅を提案します。
実は仁も、「夫婦ともに40代に入り、お互いの関係がこのままで良いのか」とちょうど考えていたようで、快諾します。
このドラマでは夫婦それぞれの考え(心の声)が聞けるのも面白いところ。脚本ではあるけれど、どのセリフにも思い当たる節があって「あるある~」とこちらも心の声で相槌を打ったりして楽しめます。
週末旅はたいていがバイキングと温泉がついている宿が選ばれています。
これがまた目にも美味しそうな料理の紹介だけでないのが面白いポイントです。
それぞれが「どんな料理をどう選ぶか」「どうしてそう選ぶのか」を会話しながら食事をします。
選ぶポイントや食事の仕方にも個性が出て、普段ほとんどの食事を別にしている二人にとってそんな時間も特別です。
またバイキングという場も、様々な世代の家族やカップルたちと空間を共にすることで、気づかされることも多いようで、二人はそれぞれ今まで仕事にしか向いていなかった目線を上げて周りを見渡すようにもなっていきます。
旅を始めたころはお互いにリフレッシュして楽しめた程度だったものが、回を重ねるうちに
お互いの考えていることを話すようになっていきます。
感じがいいな~と思うのは相手に投げかける言葉にとても思いやりがあるところです。
まずしっかり聞いて、否定せず受け止めて、自分の考えを伝える。
実は簡単なようでこれがなかなかできなくなってくるのが夫婦のような気がしてしまった私。(え?我が家だけ?)
なぜできなくなってくるのか。その根幹は何だろう?
「言わなくてもわかるでしょ?」
これではないでしょうか?(え?我が家だけ?)
いいえ、言わなくてはわかりません。このドラマでもわかるように夫婦は一緒に住んでいても他人なのです。
お片付けの現場でもよくあるのです。奥様と私の会話の途中でご主人が、
「え?そうだったの?言ってくれればよかったのに」なんておっしゃることが。
矢吹夫婦は毎旅ごとに少しずつ今まで誰にも言えなかった自分の心の中の事を共有してゆき
ます。
それはお互いを知ることでもあり、実は自分を知ってゆくことでもあります。
「自分ってこんな風に考えるんだな。」「夫(妻)はこんなことに悩んでいるのだな。自分だったらどうだろう?」そして自分にとってお互いがかけがえのない存在なのだと再認識しているように見えます。
二人が旅を続け、どんな夫婦になってゆくのかも見届けたいですし、ドラマタイアップの宿泊プランもあるようなので、夫婦旅のきっかけにするのも面白いですね。
さて肝心の整理収納です。
二人の家は主にリビングダイニングキッチンが映ります。
普段大変忙しい二人はここですべての用事が済むよう工夫されています。
スティック掃除機やアイロンもここにあり、すぐに手に取れるような仕組みになっています。
リビングには天井までの収納棚が3つあり、中には本を中心にモノがたっぷり収まっています。
ですが、入れ過ぎていないのとアイテム別に収まっているのであまりごちゃごちゃ感はありません。
オープン収納のメリットは「扉を開ける」というアクションがない分手間がかかりません。忙しい二人にはピッタリですね。デメリットは中が全て見えてしまうという点ですが、アイテムごとに分けて適量を収納するという点に気を付ければとても効率の良い収納です。
一方、気になったのはキッチンです。
こちらはとても多くのモノが表に出ています。
かなり広いキッチンですし、普段あまり料理はしない二人のわりにキッチンアイテムがとても多いですし、調味料なども出しっぱなしで気になります。
想像するに、収納を開けてみたら案外中はガラガラなのではないでしょうか。
「しまう手間」を考えると当然な気もしますし、そういった意味ではとてもリアルなキッチンだと思います。
この場合カウンターの下を思い切ってオープン収納にしてしまえば、簡単にしまうことができて、その上キッチンの上からモノが減り、リビングからの景色がスッキリするのではないでしょうか。
と、また余計な妄想は果てしなく続くのでありました。
ホテルの部屋も参考になる点がたくさんあります。
ホテルはなんといっても寛ぎの空間ですから、その色合い、空間に対しての装飾の分量
家具の配置などリビングや寝室の設えの参考になること間違いなしです。
「こんなリビング(寝室)にしたいけど我が家とどこがちがうのかしら?」
という目線で見ると楽しいと思います。
さて、お互いの考えていることを少しずつ話し始めた二人。
これからの関係はどんな風に変わっていくのか、先週は仁の海外赴任の辞令が出て
真澄に同行してほしいと本心を伝えたところで終わりました。
真澄の選択やいかに!
私もドキドキしながら見たいと思います。