とりなし隊長のメモパッド PR

新しい椅子を買うのなら

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言い方ひとつで、考え方ひとつで物事は結構うまくいく。これはとりなし隊長がちゃちゃっとメモしたような気楽な記録と提案です。

〈今回のとりなし対象は母〉

実家の母から相談というか、お願いごとをされた。
リビングの椅子を新調したいという。
昔ながらの家で、夕飯はテレビのあるリビングでとっている。
父はだいぶ前からリクライニングつきのチェアをどっかと置いて、ご飯を食べる時はあまりお行儀はいいとは言えない姿勢で食し、テレビを見る、居眠りをする時は、そのチェアでくつろいでいる。

片や、母は座面が回転するローチェアに座り食事をとっている。
立ったり座ったりには支障がないが、やはり大半の時間を過ごす、テレビタイムからの居眠りタイムは、その椅子では背もたれが低すぎて用をなさない。
「私だってくつろぎたい」「ソファが欲しい」→「お父さんの椅子だってみすぼらしい」「お父さんはもう年寄りなのだから、新しいものにお金を使う必要はないっていうけれど、私はだからこそ今の暮らしを充実させたいのに」

話しているうちに夫への不満に転換していく感じは、あるあるだし、まあ仕方なくもある。
冷静に聞いていくと、父は母が気のすむようにだったら納得のいく自分用のチェアを買えばいいと言っているとのこと。

はい、そこで娘の出番となる。
つまり買い物に付き合って欲しいと。
そもそも父と母は体の大きさがだいぶ異なるので、ダイニングテーブル&チェアを揃えるのは無理が生じそうだったので、母の要望を叶えるための買い物には、娘が付き合うことで問題はまるっと収まるのである。

買い物当日。
車でニトリを訪れた。広々としたショッピングモールの中にある店舗だが、展示が見やすく比較的早い段階で理想とするチェアを見つけることが出来た。
試しに座ってみると、しっかり背中を支えてくれる構造とリクライニングが出来ることと、お値段に母はご満悦。

自宅のテーブルの高さを計測してきたので、それと高さが合うかを試したくて
近くにあるテーブルを片っ端から測った。
微妙に該当するサイズがない。
そこで私が「店員さんに聞いてみよう」と提案した。
「いい、いいわよ。これで大丈夫よ」と遮る母。

私は構わず店員さんを呼びに行った。平日の昼間で店内はガラガラ。
前を通る度に、「いらっしゃいませ」「ごゆっくり」と声をかけられていたから、
遠慮する要素は微塵もないと思っていた。

お願いすると少し手持ち無沙汰そうだった店員さんが笑顔ですぐに私たちの要望を聞いてくれた。
少し離れた場所にあるテーブルの高さがちょうど良かったので、店員さんがお目当てのチェアを移動して試し座りが出来た。
椅子の高さは3段階調節が出来ること、組み立てはセルフであること、その他の特徴など説明を受けて、本日の主目的を無事に果たせそうだと確信した私の口は軽くなる。

私「アドバイスいただけて良かったです。やっぱりプロに聞くのが一番だったでしょ」
母「そうね(感情あまりこもらず)」
私「店員さんに聞いてみよう! って言ったら、母がいい、いいって言ってたもんで」
店「お気軽に聞いていただければ……。でも、わざわざ聞かなくも……と思う気持ちわかります。私もこの仕事始める前までは、そうだったので」

なんともナイスすぎる受け答え。販売のプロだなぁ。
母、娘、どちらもダメ出しされず、いい気持ちでいい商品が購入出来たと感じることができる。

その後、ぷらぷらとショッピングをし、ランチしながらだらだらとおしゃべりした母娘。
そこで私はあの店員さんとのやりとりの振り返りから、母が昔とった言動に関しての話を掘り起こした。
それはまた別の機会に。

問題のチェアは、人気の色を選んだため、納品は1カ月後の予定。
こげ茶色を選んだのは母。父が座っているチェアとトーンが揃う。
「色は2色あったけど、お父さんの椅子と似ている方を選んだのよって報告しなね!」
とお節介も忘れずに伝えた。