言い方ひとつで、考え方ひとつで物事は結構うまくいく。これはとりなし隊長がちゃちゃっとメモしたような気楽な記録と提案です。
〈今回のとりなし対象は母だし、私だし〉
実家の母に付き合って、リビングの椅子を購入したら引換証が見当たらない。さあどうする?というのが前回。
母からは引換証が見つかったという報告は電話もメッセージもない。
まあ暑いし、時間はまだあるし、焦る必要もないのだけれど、気になってこちらから連絡した。
やはり見つからないらしい。
母は今度は、先日引き出しの中の書類関連をかなり思い切って整理した報告を私に繰り返しした。
だからきっと一緒に捨ててしまったのだという。
昨日話した通り、「あるあると思って探してないね。無い無いと思って探したでしょ」と
ズバリ言うと、母はまた「そうね。だって無いもの」と言って、自分がどんなにしっかり書類整理をしたかを私に伝えてくる。
こういうことが増えていくよなぁと、私はまた、先日のスマホショップで感じたなんとも言えない気持ちをリピートしながら、焦らずに探してねと電話を切った。
カードで購入したのに、現金で支払ったとも言っていたし、やはりわが母もお年頃だなぁと、またしみじみ。
その日の午後だったろうか。母からの電話が鳴った。
出た途端に「あった? 見つかった?」とたずねる私に、母がこう答えた。
「それがね、お父さんがね……」
(あぁ、またぁ~、父のせいにするのは悪いクセだよ……と心の中で一瞬思った後)
ピカンッと頭をはたかれた感覚になり、ビビビビ~っとあの日の記憶がよみがえる。
購入した椅子は配送ではなく、店舗へ指定の期日内に引換証を持参し、引き取りに行くことにしていた。組み立ては自分たちでしなくてはならない。
ちょうどお盆の時期だから、私がまた取りに行ってもいいしね。レンタカーより実家の車のほうがいいかもしれないな。
力持ちだからお父さんに行ってもらおう。
という流れになり、その承諾を得たところで取りに行くことになる父が引換証を管理することにしたのだ。
私たちが見ている前で、父は自分がよく使う、大事なものをしまう事務引き出しにそれを入れた。
私はこのシーンをその場で見ていたのに、見事にすーっぽりと忘れていた。
母がガタガタと連日探し物をしているところを父が「これだろ!」と預かっていた引換証を出して見せたようだ。
穴を掘る私。あのドヤ顔の「あると思って探しな」発言を地中深く埋めさせて欲しい。
穴を掘って掘って、安堵する私は、心から
「お父さんがしっかりしててくれてよかったね」と言った。
母はそのやりとり自体をまったく記憶していなかったというが、とにかく二人で笑って、
椅子の引き取りは私と父で行くことにした。
その夜は、私の夫も呼んで一緒に食事をしようという夏休みの案をまとめて、ホッとして電話を切った。
とりなしたつもりが、がっつりとりなされた私。
これを書きながら、そういえば椅子を購入した時の支払いは、母のカードの磁気が不調で現金で支払ったのだったことも思い出した。
謝罪とともに「記憶障害、私のほうが危ないかも」と汗いっぱいのメッセージを送った私に母から「暑さのための障害とします」と返信が来た。