日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
久保田利伸CONCERT TOUR 2024-2025「佐藤さん、いつものでよろしいですか?」
こんなタイトルのコンサートに行ってきた。
9月のツアー初日につづいて2回目となる。会場はNHKホール。
初日はとんでもない神席で、今回は2階席からの参戦。
開場時間に合わせて、仲間たちとホール前で待ち合わせ。
4人中3人が、初日に手に入れていたツアーTシャツを着てきた。
渋谷からNHKホールまでの道を闊歩してきた私は、道中すれ違いざまにこのTシャツへの視線を感じた(ような気がした)。
今回のツアーTシャツは、イラストレーターのRISAさんとのコラボレーション。
レコードジャケットサイズの久保田さんのイラスト、黒に黄色が映える。
RISAさんの描くイラストは、目が特徴的。とろりんと愛嬌と哀愁があって、見つめている先への距離が近くにも遠くにも感じられる。
会場に着くなりこのことを仲間に無邪気に話した。
いや、無邪気になんて自分で書いてしまったが、ライブ前の高揚感とお調子者な性格がそうさせたのだとお赦しいただきたい。
会場に入り、しばしロビーで立ち話。
しばらくすると柱に寄り掛かるように陣取っていた私に向かってニコニコと視線を投げかけてくる女性がいた。
「えーっ、かわいい!!」
視線は私の胸から腹にかけてのTシャツの絵柄に届いていた。あれ、この方私の知り合いか!? と一瞬焦ったけれど、そうではなくて、ただただツアーTシャツにロックオンしてくれたらしい。
「これですか? かわいいですよね~。あちらでお求めいただけますので、ぜひ!」
と、少しおどけて場外のグッズ販売コーナーに手で案内してみた。
ほかにも着ている人はたくさんいたのだけど、柱をバックにお腹を突き出すように立っていた私は、RISAさんのイラストをドーンとリアル展示出来ていたらしい。
お役に立てて光栄です、の気分。
ちなみに、アンコールの時に久保田さん本人も、ダンサーさんも着用していて、この時もフフフーンといい気分になった私は、生粋のファンだ。
このライブには、仲間がもう一組参加していた。
彼女は娘さんと一緒。ちょうど席が近かったので、通路ですれ違う時に私からハイタッチを求めちゃったりなんかして、すっかりパーティーピーポーだったのだが、
どうしてそんなに嬉しかったかといえば、その娘さんがお腹の中にいる時からの付き合いだからなのだ。
仲間と一緒に彼女のウエディングパーティーに参加させてもらい、久保田さんの曲を歌ったりもした。
当時、遅れて来た青春感満タンで楽しい時間を過ごしたことは、鮮明に記憶している。
大人になってから出来る友だち、しかも共通の好きがある友だちっていいよね……と。
その娘さんが成長し、中学生になって、ママと一緒にライブを楽しんでいるのだ。
幸せすぎる。
終演後、また会場入口付近で仲間と合流した。
私は娘さんの感想が聞きたくて、お調子者のテンションを再び発動し、「どうだった?」と聞いた。
久保田さんのライブは初めてではないし、かなりの英才教育? もされているから、音に馴染みもあるだろうけれど、彼女はママと似た口調で
「ノリ方が超ムズい」と言った(言い方違ったらゴメンナサイ)
その感想がまた伊達じゃない感じでニマニマしてしまった。
来年、デビュー40周年を迎えるというアーティスト久保田利伸さん。
長く歌い続けていると親子でとか、なんなら孫とじいちゃん、ばあちゃんとでライブを楽しむなんていう幸せな光景が結構生まれている。
親の影響でたまたま聴いて好きになったという若いファンもたくさんいるし、
活躍している20代のアーティストの初めて買ったCDが久保田利伸さんの「LOVE RAIN~恋の雨」で、音楽的にも影響を受けたという人の話を聞いたこともある。
こうやって繋がっていくんだなぁと、ひたすらジワリジワリと来てしまうことに40年の重みを感じる。
だって、初めて彼の音楽に出会った時は私だって娘さんくらいの年齢だったのだから!!
仕事が詰まっているから、ライブ後の乾杯は1杯だけにして、サクッと帰るねと仲間に宣言していたのに、結局美味しいビールをグヒグビ飲んでおかわりした私。
帰りの電車の中でも、Tシャツに視線が集まったような気がしたけれど、
それはまたなにか別の理由があったのかもしれない。
え、それでLIVEはどうだったかって?
それ語ると夜が明けちゃうけれどいい?