Tea and・・・ PR

銀座で感じるフランス流紅茶芸術のエスプリ

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

紅茶コーディネーターのイノチカが、さまざまな角度から紅茶と共に過ごす時間をご提案するオリジナルエッセイ。

好きなのは紅茶を愉しむしあわせな時間と空間。
一人の時もあれば、大切な誰かと一緒の時も。自宅をはじめ居心地の良い場所でのTeatime。
私の人生の中で、紅茶と紐づく記憶は、いつもしあわせと結びついています。
暮らしに紅茶を取り入れて、日常にもっともっとしあわせな時間を増やしていくことができたなら……。
紅茶にまつわるあれこれを綴ります。どうぞ紅茶を片手にお付き合いください。

《Tea and・・・銀座で感じるフランス流紅茶芸術のエスプリ》

紅茶と言えばイギリス。
ですが、最近は日本の和紅茶が世界的な賞を獲ったり、アメリカの紅茶専門店が有名になったりと、世界各国の特徴のある紅茶が日本にいても愉しめるようになりました。

そんな中でも、歴史があり、日本人にも有名な高級紅茶専門店と言えばフランスのマリアージュ・フレールではないでしょうか。

上品な香りに圧倒されて

私が初めてマリアージュの紅茶を知ったのは、かれこれ30年ほど前。
真っ黒い丸缶に黄色いラベルがとても印象的だったのを覚えています。
丁度日本での展開が始まったのが1990年ということですので、当時話題になっていたのだと思いますが、結婚式の引き出物で頂きました。
その頃の私は紅茶を美味しく淹れるスキルはなく、正直ものすごく美味しかったという印象は残っていないのですが、今までに経験したことのない華やかで、上品な香りに圧倒されたのは覚えています。
その後しばらくマリアージュの紅茶を飲む機会はなく、当時の記憶も薄れていた頃、友人の家でいただいた紅茶の香りで一気に記憶がよみがえりました。「そうそうこれ!マリア―ジュのマルコポーロ。知っている香り!」と同時に、その頃の記憶がよみがえりました。
人の嗅覚の記憶ってあらためてすごいなと感じたものです。

今では紅茶を美味しく、味も香りも愉しむことができるようになりましたが、師匠の影響もあり、産地や収穫時期などでの味や香りの違い、水色の美しさという茶葉そのものの魅力にはまり、私の紅茶セミナーでは高級ブランドの紅茶を使うことはほとんどありません。
そんな私のところに、マリアージュ・フレールの『エロス』を、ある整理収納セミナー内で淹れて提供して欲しいとの素敵なお仕事の依頼がありました。マリアージュ・フレールの紅茶はいくつか自宅にもあり、時々いただくのですが、そういえばサロン・ド・テ(Tea Room)には行ったことがないことに気がつき、いい機会だから、本家の味を試したいと銀座すずらん通りにある銀座本店に行ってみることにしました。

いざ、サロン・ド・テ(Tea Room)へ

パリの本店をイメージしたお店は外観も内装もふんだんに木が使われており、紅茶の香りに満ちた店内もレトロで洗練されています。レジがあるガラス張りのエリアなどはパリと同じ仕様なのだそう。マリアージュ・フレールの歴史と、紅茶に対する深い想いを感じることができました。
地下には紅茶の博物館があり、どなたでも無料で自由に見学することができます。
ティールームがオープンするまで、少し時間があったのでじっくりと見学できたのですが、誰も地下に降りてくる方はいなかったので、意外と知られていない?と思いました。
そこでは歴史の中で、実際に使われていた貴重な品々を間近で見ることができます。ワクワクを通り過ぎて、ドキドキしてしまいました。
モノにはストーリが隠されています。古い茶箱やティーキャディ(鍵を付けて紅茶を保管する箱)、ポットやティーカップなどガラスケースに収蔵されている品々の持ち主や、使われていたシーンを想像しながら脳内タイムスリップで楽しいひと時を過ごしました。

中でも印象に残ったのが「口ひげを生やした紳士」のためのティーカップ。こちらは復刻品ですが、マリアージュ・フレールの創業者アンリ・マリアージュが愛用していたティーカップとのこと。確かに…。口ひげがあると、紅茶を飲む時にひげが濡れてしまうのは想像できます。このティーカップ、飲み口のところにひげを抑える工夫がされていて納得と同時に、紳士がこのティーカップで紅茶を飲んでいる様子を想像して、何だかクスっと笑ってしまいました。
「紅茶愛があふれてオリジナルのティーカップまで作ってしまうとは!」
他にもロシア製のサモア―ル(ロシアなどスラブ諸国に伝わる伝統的湯沸かし器具)や額装された直筆の取引書類なども飾られていました。
紅茶好き、歴史好きの方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょう。

その言葉を胸に刻みながら淹れた紅茶

紅茶専門店マリアージュ・フレールの店名は一族の名前マリアージュと、兄弟という意味のフレールからつけられたそう。アンリ・マリアージュとエドゥアール・マリアージュの兄弟が紅茶専門店を創業〔1854年〕したのですが、代々、マリアージュ一族はフランスで香辛料や茶、食料品の商いを3世紀以上にわたり続けており、今もなお世界中でフランス流紅茶芸術の素晴らしさを伝え続けています。
「天からの恵。人に与えられた魂の飲み物、それがお茶。」とマリアージュ・フレールから出版されている【フランス流紅茶芸術】という書物の中に書いてあります。サロン・ド・テでマリアージュの古代ギリシャの神の名がついた『エロス』を味わいながらお借りした【フランス流紅茶芸術】を拝読し、充実したランチタイムを楽しむことができました。

セミナーでは「魂の飲み物それがお茶。」この言葉を胸に刻み、愛をたっぷり注いだマリアージュの紅茶『エロス』を淹れながら、「そうそうこの香り!」と本店で頂いた紅茶の香りを思い出しておりました。
受講生のみなさんには、紅茶のサービスを大変喜んでいただけたようです。いつかまた『エロス』の紅茶を飲んだときに、このセミナーを思い出していただけると嬉しいなあと思っています。

そろそろ紅茶のお代わりはいかがですか?
紅茶と言っても、いくつもの種類やブランドがあり楽しみ方も様々です。私自身、今回マリアージュ・フレールの歴史や創業者の想いにふれることで、また新たに興味の幅が広がりました。
今、あなたが飲んでいる紅茶にも歴史やストーリーはありませんか? 少し興味を持ってみると楽しいですよ。

文・イノチカ

ライフイメージコンサルタント・ 整理収納アドバイザー・紅茶コーディネーター。
紅茶好き。でも、どんな暮らしをしたいのかを模索する中、理想の暮らしを手に入れるためのゆとりを創り出す整理収納と出会い、本当に好きなのは紅茶を愉しむ時間と空間だと気づく。私にとってTeatimeは小さなしあわせを感じ、人生の大切なことに気づかせてくれるゆとりの時間。今日も紅茶を片手にしあわせなひと時を過ごしている。