日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。
先月のこと。ずっと気になって参加したいなぁと思っていたことの一つ、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を体験した。
それよりひと月前に、姪っ子たちと新しくなった高輪ゲートウェイ散策をした時に、この
「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」が小川珈琲と組んで新拠点をオープンしたと知り、とても気になっていたのだ。姪っ子たちとのお出かけの時は、残念ながら予約がいっぱいで行けなかった。
これを伝えたら、珈琲好きの夫が興味を示してくれて、一緒に行くことになった。
その名も、体験型ラボ「Dialog in the Dark 5-1=∞ Lab.(ダイアログ・イン・ザ・ダーク ファイブワンラボ)」
暗闇の中で味わう珈琲。5-1=∞ は五感の一つを引いたら、感覚は無限大になるという意だそうだ。ここでは視覚を手放し、本当に真っ暗闇の中で、珈琲を味わう。いや、体感する。
定員は8名。どんな時間になるか、わくわくしながら予約時間にラボに到着した。
受付で、「本日はご結婚記念日だそうですね。おめでとうございます!」と言われた。
予約は夫がしてくれていたのだが、備考欄にそんなことを書いたらしい。とても驚いた。
そういうこと出来るタイプの人じゃなかったと思うけど、15年の月日は人を変えるのだなぁ。
スタート時間までは、受付近くで待機するのだが、そこでお隣になった方が私たちに話しかけてくださった。
「今、聞こえちゃったんですけど、今日結婚記念日なんですか? おめでとうございます!! いいですね~」
受付の方だけでなく、初めましての方にもそんな風に言ってもらって、嬉しいやら恥ずかしいやら。
そうしてしばらくすると、ラボの研究員のアテンドにより暗闇に誘われた。
私たちが参加する回をアテンドしてくれるのは視覚障害がある方だった。8名は運命共同体、ルール説明の後、暗闇に、本当に真っ暗闇に足を踏み入れた。
ここでどんなことが、どんな順で繰り広げられるかは、参加した時のお楽しみのほうがきっといいので、詳細レポートは割愛することにする。
でも、5-1=∞と表される通り、その他の感覚が研ぎ澄まされる気がした。
耳を澄ますし、触覚も大事にした。そして声を掛け合うことで、安全や安心をたしかめたりもする。
参加する方によって、雰囲気は都度違うそうだ。私たちが参加した回には、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」の参加経験がある方もいたし、比較的、声出しも積極的だったのではないかなぁ。
この暗闇体験は、例えば災害時などの処し方、心得という意味でもとてもいい経験だ。
そして、主役の珈琲を楽しむタイミングでは嗅覚も味覚もフル稼働。
おしゃべりな私に対して、夫は口数は多くないタイプなので、考えてみたら、夫がほかの方とコミュニケーションを取る時のアイデアや、よそゆき声を聞く機会はこれまであまりなかった。だから、そういうのも珍しくて貴重だった。
珈琲はだいたい毎朝飲んでいる。夫が淹れてくれるのが当たり前になってから幾年月が過ぎただろう。そういう意味でもこの暗闇で珈琲を体験するというのは、ちょっと、いやだいぶいいメニューだった。
暗闇から戻り、ゆっくりと明るい場所に目を慣らしている間に、アテンドしてくれた研究員の方からご挨拶があった。
「今日、この中にご結婚記念日のお二人がいらっしゃるとのことで、そんな大切な日にこの場所を選んでくださってありがとうございました」
これに続いて、運命共同体だったほかの6名の参加者の皆さんからも拍手をいただいた。
嬉しいやら恥ずかしいやら。
少し前に飲み切った珈琲のように、心もじんわりと温かくなった。
ラボ前で記念撮影してもらったりしつつ、その場を後にした。
「備考欄にコメント入れてくれちゃったりして、粋なことするね!」
「こういうところがあるよって教えてくれたから行けてよかったよ!」
なんとなく、互いのグッジョブを褒め合ってほくほくするようにしていたのは、休日の高輪ゲートウェイがそれはそれはおしゃれで、暮らしにゆとりがある感じの人たちでにぎわっていて、下手をすると萎縮してしまいそうだったからかもしれない。
(姪っ子と下見が出来ていたのもよかった)
「モノより思い出」という名キャッチコピーは今から27年も前に生まれたらしいけれど、
いつだって実感する。記念日こそ、モノより体験という名の思い出だなと。
スタート時間の前に、OGAWA COFFEE LABORATORY GLT : 196 The Texturing Labのジェラートも。えーっと、ピンクのジェラートが夫セレクトです(笑)

