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サマソニ2025体験記②_まさか! やっぱり! 倒れちまった

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

人生初の「SUMMER SONIC 2025」通称サマソニ参戦。
いろいろ準備して、整理券で並んで、会場のマリンスタジアムに入場したのが前回。

サマソニ2025体験記①_大人の真夏の大冒険がはじまった日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。2025年夏の大イベント、初めて夏フェス「SUMMER SONIC2025」に参加した一日の記録をつづります。...

11:00。オープニングを飾るMrs.GREEN APPLEのステージがはじまった。
私の隣には、遠方から来て親子で2日間サマソニに参戦している方がいた。
ミセスが出てくるまでの間に、少しおしゃべりをしたら、お母さんはミセスの大ファンらしい。
「うるさかったらスミマセン…」とにっこり顔で言われて
「ぜーんぜん気にせず盛り上がってください。私も楽しみです!」と答えた。

正直なことを言えば、せっかくサマソニで生のステージが見れるのだから、事前予習しておけばよかったのだが、なんやかやと夏をパヤパヤ過ごして本番を迎えてしまったので、
超有名ヒット曲以外は知らない曲もあった。
あっという間だった。ステージを終えて去っていく姿を見ながら
「え、短くない!?」これが私の第一声。
彼らが披露した曲、後でセットリストを検索したら7曲だったから、本当に長くはなかったわけだけど、あんなにあっという間に感じたのは、時の人たち、Mrs.GREEN APPLEのパワーなのだなぁと思う。

そして後から知ったのは、マリンスタジアムに入場規制がかかっていたということ。
もみくちゃにされるような感覚はなかったので、あまり気にしていなかったのだが、公式がアップした写真を見たら、スタンドの上まで人・人・人だった。

さて、ここから30分くらい時間が空いて、次はグローバルボーイズグループ JO1の登場を待つことになる。
夫はここで、事前予告通りトイレに向かった。
スタジアム内のグラウンドにいる人がトイレに行くには、一度スタジアムを出て脇の仮設トイレを目指すことになる。
夫がいない間は、私は少し大股開きになって、場所を確保しつつ、時間をやり過ごす。
冷感スプレー、塩分補給タブレット、水、じりじりと太陽は元気を増していく。

夫が帰ってくるまでの間、今度は右隣りの方二人組に話しかけた。本当に黙っていられないタイプだ、私って。
お一人は私と同じ色のTシャツを着ていたので話しかけやすかったのだ。
「サマソニは何回目ですか?」
なんとなく初めてじゃあなさそうな常連さんらしさを感じたので、そんな風に話しかけたら、3回目とのこと。
「さすがです! じゃあもしかしてワールドツアーも行かれたり?」とか
「私は初めてなんです。もうこの暑さだから恐ろしくてびくびくしてるんですけど……」とか調子よく話していた私。

サマソニの先輩さんは「本当に絶対無理しないほうがいいですよ!!」とか「ご主人がつきあってくれるなんていいですね」なんて感じでおしゃべりにつきあってくれた。
彼女たちはフェンスを背に座って体力を温存しているみたいだった。それが常連感たるゆえんだったのだけれど、立っていた私も目線を合わせておしゃべりしたかったので、しゃがんでそういう会話を繰り広げた。
夫はなかなか帰ってこない。

よっこいしょと立ち上がると、なんとなくくらっとした気がした。
ぬるくなっているフェンスに寄り掛かりながら、目はシャワーを追っていた。
グラウンドには、度々、ウォーターシャワーが撒かれていた。ゴーストバスターズ風にホースを持った方が人力で放水する。観客はわぁー、こっちこっち!という感じで合図をすると
次はそちらに向かって放水。ワー、キャー!!
そういえばさっきミセスが「♪夏がはじまった合図がした」って歌ってた。
とっくに始まってたけど、そのワー、キャー!! の様子は、夏だなぁー、夏フェスだなぁーという感じ。
ワタシニモミズヲチョウダイ!
そう思うのだけど、放水は私のいるところまでは残念ながら届かない。
すぐ後ろが機材スペースだから、ここにいる限りは水は飛んでこないのだなとそろそろ気づいていた。
そういえば夫はまだ帰ってこない。
ワタシニモミズヲ、デモ、ソレハムリナノカ。

なんとなくヤバイ予感がして、私は夫が戻るのを待たずさっき話しかけたお隣の人たちに
「ちょっとあれなんで、日陰に行ってきますわ」みたいなことを言った。
いや、もうお隣さんにとってみたら「いや、別に知らんし。勝手にして!」だったと思う。

・・・・・・・・・・

次の瞬間、目を開けると私の顔を覗き込む人たちの「大丈夫ですか? 大丈夫ですか?」という声が聞こえた。
どうやら私は日陰に行きます宣言をしたまま、その場に倒れ込んだらしい。
体勢としては背中を地面につけてごろんとあおむけの状態だった。
本当にゴキブリがひっくり返って足をバタバタさせるみたいなあんな感じ。

「大丈夫ですか? これ、冷たいのでどうぞ」と言ってゼリー飲料を渡してくださる人がいた。情けない体勢になっているけれど、どこかを打ったりはしていない。
ただ、「あーあ、まんまと倒れちまったわ」と思っていた。さっきミセスが歌っている間にも倒れて運ばれている人を何人も見ていたから、「この暑さ容赦ないわー」なんて傍観していたのに、あー、恥ずかしい。恥ずかしいよー。
そして夫は帰って来ないのか! 帰ってきてくれよー!!

この間がどのくらいの時間だったのか、数十秒だったのか、数分だったのかわからない。でも情けないゴキブリ体勢のまま、目をあけてぐるりと見渡すと、私の顔を覗き込む人の中に夫の顔を見つけた。

同じタイミングでどうやらサマソニの救護担当の人もやってきたようだ。なーんか車椅子も見えるぞ。ヤバイヤバイ、恥ずかしい&情けない。
でもきっとここまでの時間はほんの短い時間だったのだと思う。
周りの皆さんの反応の速さと優しさにただただ感謝。

ゴキブリ体勢の私を介助してくれようとする係の方に、大丈夫ですを繰り返し、
夫に両手を引っ張ってもらって立ち上がらせてもらう。
係の方にポカリスエットを渡され、とりあえず外の救護スペースへ誘導していただいた。
「ゆっくりでいいですよ」と何度も言われ、まあまあの体重を夫にかけつつ、2時間前くらいに意気揚々と入場したのと同じゲートから外へ出て、仮設の救護スペースに案内された。

そこは、ベンチに腰掛け、うなだれながらひたすらに休んでいる人たちでごった返していた。

(つづく)