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まさかのセルフ119_その④

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日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。栗原のエッセイ、つまりクリッセイ。

夫が胆管結石による激痛から緊急入院、石を取りだした後も胆嚢内にある石が痛み出し、胆嚢摘出手術を余儀なくされたというのが前回。

まさかのセルフ119_その③日常の中から、エンタメを整理収納目線、暮らしをエンタメ目線でつづります。10月に起きた、夫と痛みとのたたかいについてのその③ ...

夫が入院している部屋は、間仕切りありの大部屋だった。カーテンだけで仕切られる大部屋にプラスして、稼働する間仕切り収納みたいなものがついている部屋で、1日あたり5,500円だったかな? 差額なしの部屋を希望してはいたが、退院までその部屋に入っていた。目の前がトイレなので、夫的にはとても安心だったようだ。
この大部屋には、同じ胆石患者が集まっていたみたい。

胆嚢摘出手術は、おへそや数か所に2~3㎜の穴を開け、腹腔鏡で胆嚢を取り出す。
説明書には、「おへその形が変わる場合があります」とあった。
また、術後合併症予防のためにお腹にドレーンという細い管をつないでいた。
石による痛みは無くなったが、術後はこの小さな傷が痛むらしい。起き上がるにも一苦労、トイレに行くにも体を折り曲げて、小さくゆっくり歩かねばならない。

私はおしゃべりが好きだし、つい楽しい話や冗談を言いたくなるみたいで、
でも術後の傷が痛む夫には笑いとくしゃみは酷である。
「笑わせないで……」と何度か言わせてしまった。やはり私に病院での長居は向かないようだ。ごめん。
このまま順調に進めば、ドレーンが取れて、点滴も取れて、退院らしいが、あのトボトボの後ろ姿を見る限りはもう少し入院してくれているほうが安心ではある。

さて、その翌日あたりから、夫の身にあるハラスメントが襲い掛かった。
それは、「粥ハラスメント」。
病院関係の皆さま、ごめんなさい。夫が写真付きメッセージを送ってきたものですから。
術後すぐは三分粥あたりからはじまり、すぐに五分粥に移行した夫の食事。
腹痛で苦しみ、最初の術前には処置直前に嘔吐……みたいなこともあったようで、食べることへの恐怖も残っているらしい。
でも食べなければ点滴が取れないわけで、ファイト! と返答するばかりだったが、
たしかに粥の量は写真で見ても、直接見てもなかなかのボリュームだった。

ではここで粥ハラギャラリーをご覧いただこう。

たしかにすごいボリュームだ。夫の体型とかから計算された相応の量なのだろうけど、
悲鳴をあげていた。
もともと、お粥は苦手だったというのもあるらしい。
しかし、後半になると失礼な「粥ハラスメント」呼びから「粥フェス」とタイトルが変わっていったところを見ると、元気になるために食はやっぱり何より大事なのだなぁと実感するわけで。

こうして苦手だったお粥にも少し慣れた頃、入院から8日目に夫は無事退院することが出来た。
それにしても「退院後の食事」について「特に注意したい食べ物」リストがすごいのだ。腸に負担がかかるものは避けましょうということなのだが、
刺激物や、生もの、味の濃いものなどは、まあそうだろう。
これに加えて、
脂身の多い肉(まあそうだよね)
貝類、いか、たこ、干物(まあ、そうだよね)
大豆、枝豆など(わおー、まさかやー)
繊維の多い野菜/ごぼう、たけのこ、れんこんなど(そうなんだー)
きのこ類(えー、そうなのー?)
海藻類(それもなのー?)
こんにゃく、しらたき(まじでー?)
さつまいも(うそーん)
生果物(酸味の強いものはそっかー)
とかとかとか……。
え、逆に何を食べればいいのでしょうか?

よく噛んで、ゆっくり、少しずつバランスよく、とかってことなのだ。
わかる、わかるよ、わかるけど。

そして、注目すべきは、「揚げ物」の文字がしっかり丸で囲まれていたことだ。
あの、うめき声とともに外出先からセルフ119をして救急に運ばれた夫。
その日の午前中、検査をして胆石があることがわかって、紹介状を書いてもらったところで原因がわかってホッとした夫は、あろうことか「トンカツ」を食べたのだそうだ。
その後、どうなったから、前述の通り。
処置前にお医者さんに呆れられたそうな。

すっかり痩せて体力の落ちた夫。
今年に入ってダイエットに取り組んでいたのだけど、「こんな減り方は嫌だ―」と嘆いている。
私は、自宅での食事の反動で、外食時に油ものに走らないよう気をつけねば……と怯えている。
セルフ119は絶対にしたくないからね。

皆さまもどうぞご自愛ください。
(終わり)

※写真は入院中の夫をよそに、友人と食事した日のメニュー。居酒屋だったけど一応お酒は避けたよ